普段私たちが食べている日本食ーー、味を左右するのは味噌や醤油、日本酒、酢、みりんなどの発酵食品です。その味わいにはメーカーごとに個性があり、微妙な違いが職人の手仕事として日本の食文化を支えてきました。
今回大学生の井野川さんが訪ねてくれた株式会社フジワラテクノアートは、ほとんどが職人の勘と経験の世界だった麹づくりの技術をデータ化し、困難と言われてきた機械による醸造技術を確立したトップメーカーです。
製麹機械における全国シェアは驚きの80%!?これまで培った知識や技術をもとに新たな挑戦を続けるこの会社には、どんな企業文化が息づいているのでしょうか……!
目次
ていねいなものづくりで醸造の世界を改革


技術営業部所属。機械のメンテナンスや改善、プラント建設では設計から工場稼働まで計画段階からプランニングする。営業担当。

岡山県内の大学に在学中の大学生。NPO法人だっぴのインターン生として10月から参加、企業取材に挑戦中。
職人の手仕事をオーダーメイドの醸造機械で再現



その他一般の食品向けの機械やバイオ関連の機械の製造、プラントエンジニアリングという工場建設の企画から工場が稼働するまで全体を手がける仕事もやっています。お客様が使いやすいように、お客様の代弁者として一連の工程に関われることが当社の強みです。




もちろんそれは手間がかかって大変なことなんですけれど、それによってお客様のニーズに寄り添った製品が提供できるわけで、これも当社の強みの一つです。

日本酒の製造設備「回転式自動洗米浸漬装置」


もちろんすべてを機械化することをおすすめするわけではありません。「加工工程の中のある部分は手作りにこだわりたい」というお客様もいらっしゃいますので、ニーズに合わせて一部を機械化するなど柔軟にご提案・対応をしています。
シェア80%!日本食文化・醸造文化を守る誇り



また、醸造食品において重要な工程となるのが麹作りですが、その麹づくりをするための製麹機械の国内シェアは約80%で、高いシェアを誇っています。





日本食・醸造文化の代表、醤油や味噌


技術だけを高めるのではなくて、時代の潮流をちゃんと感じ取る感度やセンス、お客様の思い、ご希望をしっかり酌み取る感性を大切にしてきました。そして、お客様にしっかり寄り添った対応を継続し続けてきたことが、海外国内問わずお客様からの信頼につながってきたと思っています。
また、今は循環型社会への貢献を目指して、麹づくりで培った技術をもとに開発ビジョン2050を策定して新たな技術開発の種をまき始めています。
学べる、チャレンジできる環境づくりで社員を育成



その一つが「フジワラものづくり塾」という社内塾です。この塾は、業務に必要なものづくりとか醸造の知識をベテラン社員から体系的に学べる場になっています。
また、新しく入った社員に対して「メンター」という相談役の先輩社員がつき、いろんなことを相談しながら問題解決をしていける制度もあります。


もう少し広くとらえると、社員1人1人が5年後のビジョンとそこに至るまでの成長計画を作成し上司と共有、その将来ビジョン達成に向けて資格取得や実務の経験・蓄積を進めていく「個人別5ヶ年ビジョン」というのもあります。
これも社員の育成の中で大きな取り組みですね。
イメージ通り?フジワラテクノアートで働いてみて
入社理由、大事なのはトップシェア&インスピレーション



フジワラテクノアートは醸造機械というとニッチな分野ではありますがトップシェアメーカー。食の分野を支え、長く必要とされ続ける企業だろうと思っていました。
もう一つの決め手は感覚的なもの、インスピレーションです。面接で来訪した時にもしっかりあいさつしてもらえたんですよね。社内の雰囲気も見て「この会社がいい!」と直感しました。

その中でどういった職種に就きたいかを考え探っていく中で、フジワラテクノアートのことを知ったんです。
どんどん調べていくうちに「この会社面白い!」、「この会社に入りたい!」と思うようになって入社試験を受けました。


「こんな社員の方がいっぱいいるのであれば、フジワラテクノアートに入ってこの人たちのようになりたい」と思えたんです。
全てが自社製品だから、ものづくりの醍醐味を味わえた


たとえば車や建物をつくる場合は、いろんな会社が部品や部材を作っていて、それぞれの人にはユーザーの姿が見えていないと思うんです。
そこが当社は違っていて、醸造機械をはじめとした機械類、それをつなぐ配管や電気関係の製品、そのすべてが私達がオーダーメイドで作ったものですからね。


大規模プラントの中

実は以前にもプラントを手がけたことがあるのですが、その時は前任者や上司の万全のサポートがあったんです。今回はその経験を糧に、自分自身でやりきることができているからこそ、比べものにならないぐらい強い達成感を感じられているのだと思います。


学び続けた末、みそソムリエになる。



そこで、自分がこれまでに身に付けた知識の確認と新しい知識を得るために改めて勉強して、ついに「みそソムリエ」の資格を取得しました。





「会社は新入社員に投資している」、後悔しない会社選びを


入社して「思ったのと違う」「自分がやりたかったのはこんなことじゃない」と後悔したという話はよく耳にしますが、どんな仕事をすることになってもやっぱり後悔はしないでほしいなって思うんです。


「どんな会社なのか」「自分が何をすることになるのか」「どうしたら一人前になれるのか」「今働いている先輩社員の人と同じようになるにはどういった知識が必要なのか」…。
そういったことを知っておけば、自分がどんな社会人になりたいのかというビジョンも持てるようになると思います。それにはやはり、話を聞くことが大事だと思います。




(編集:森分志学/執筆:井ノ上 美恵子)
コーポレートコミュニケーション部所属。人事、総務、経理を担当する部署で、その中でも採用や広報を中心に担当。