アプリ開発で日常生活の「便利」をつくる・ピープルソフトウェア株式会社

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公開日 2024.05.25

「いろんな情報がアプリにまとまってるの、ありがたいな~」「電子チケット制度、めっちゃ便利!」

 

身近にあるアプリやwebサイトに、小さな感動を覚えたことはありませんか?

アプリの裏側には、そんな小さな感動を作るために日々開発に勤しんでいる人たちがいます。

 

今回は、岡山県発のIT企業・ピープルソフトウェア株式会社の社員さんに、情報工学を学ぶゆうやくんがお話を伺ってきてくれました。

 

とっつきにくい分野かと思いきや、私たちの知っている製品とも深く関わりがあり、身近に感じるポイントがたくさん。会社の雰囲気や、社員さんがどんな目線でアプリを開発しているのか、読みどころたっぷりです!

 

生活を彩る幅広いサービス

 

★白神さん
プロダクト事業部プラットフォームチームリーダー。入社16年目。
★重光さん
プロダクト事業部プラットフォームチーム所属。入社5年目。プログラミング未経験で入社。

 

私たちに身近なオンライン学習のシステム!

ピープルソフトウェアさんでは、どんな事業に取り組まれているのですか?

 

私たちは主にアプリやクラウドサービスを開発しています。開発業務だけでなく、製品がうまく作動するよう管理する保守運用やクライアントの対応といった幅広い業務も行っています。

 

弊社では、様々な業種の企業から委託を受けてソフトウェアをつくる「受託開発」と、自社製品を開発してビジネスを行う「自社開発」の二軸で、サービスを提供しています。

白神さんと重光さんは、自社開発の業務を担っている。

 

まずは受託開発についてお聞きしたいです。どんなものを開発しているのですか?

 

分かりやすいもので言うと、お客様から委託を受けて開発した学習用アプリなどがあります。

 

みなさんの学習環境って、ITによってすごく変化していますよね。オンラインで授業を受けられたり、タブレットで採点できたり。きっと多くの学生さんが見たり使ったりしたことがあるのではないでしょうか?

 

ああ〜、学校で使ったことがある気がします!そういったシステムにも関わってるんですか?

 

 

具体的に「何に関わった」とは言えないんですよ。受託開発は、お客様の「つくりたい!」のお手伝いをする立場なんです。

 

ただ「お手伝い」といっても、システムの設計の部分においては、ITの見地からより便利にするにはどうしたらいいかなど、積極的に関わり提案するようにしています。

 

なるほど、受託開発ではそういう関わり方をするんですね。

 

はい。ですので、受託開発では、ピープルソフトウェアの名前がユーザーのみなさんの目に触れることはなかなかありません。でも実は、みなさんも知っているようなサービスに深く関わっているかもしれないんですよ

ピープルソフトウェアさんのことをどんどん身近に感じてきました!

 

日々の暮らしを豊かにするアプリを開発

ピープルソフトウェアさんが自社開発されている製品についても教えてください。

 

はい。自社開発では、特にスマホアプリの開発に力を入れています。

 

例えば、博物館や美術館、工場の見学で利用できる音声ガイドシステム『MUSENAVI(ミューズナビ)』があります。

 

展示品に関する情報や背景、豆知識などを、使い慣れた自分のスマホで教えてもらえるサービスです。実物を見ながら音声データで解説を聞くので、見学に集中できるという楽しみ方もできますよ。

 

 

▶MUSENAVIのブラウザ体験版に触ってみる

 

観光地で見たことがあります!こういうアプリがあると、旅先での楽しみがぐっと増えますね。

 

そうなんです。他にも、大学のオープンキャンパスの情報をより便利に得ることができる『桜Campus(さくらキャンパス)』や、スーパーの情報をスマホで見られる『AppShips(アップシップス)』というアプリなども作っています。

 

弊社が自社ビジネスとして開発するものは、お客様が生活の中で実際に見たり触れたりするものが多いですね。

 

博物館、スーパー、大学のアプリ・・・・・・たしかに普段私たちが使いそうなものばかりで親近感が湧いてきました。スーパーのアプリについて、もう少しくわしく教えてもらえますか?

 

もちろんです。『AppShips』は、スーパーやホームセンターの情報をスマホで見て、会員バーコードでポイントを貯めたりクーポンを使ったりできるアプリです。店舗のお客さんにとって便利なアプリなんですが、実はスーパーの販売促進のために開発したアプリなんですよ。

 

どういうことですか?

 

 

お客さんがアプリを起動した曜日や使用したクーポンなどの情報を、システム内に蓄積しているんです。このデータを分析することで、「この年代の人はこの曜日・時間にこんな商品をよく購入しているから、こうした商品に使えるクーポンをこのタイミングでお届けすれば、より販売数を増やせるのではないか」などの販促戦略を考えられるようになります。

 

なるほど!購買履歴などのデータを活用して売上アップにつなげることができるんですね。

 

はい。もちろんアプリは公開して終わりではなく、お客さんのより良い体験を創っていくために、その後もスーパーさんと定期的に打合せをして、システム調整を継続しています。

 

その後の調整も大事なのですか?

 

はい。丁寧な保守運用が弊社のウリで、実はここに弊社の強みがあります。

 

iOSやAndroidのアプリの場合、バージョンを変更するたびにiOSやAndroid側の審査に通すというルールがあるんです。これがかなり大変で、たった一文字を修正するだけで審査に数日を要してしまうんですよね。また、アップデートのたびにデータが膨らみ、アプリが重くなってしまうというデメリットもあります。

 

そこで、弊社では『BaaS@rakuza(バースアットラクザ)』というクラウドサービスを開発しました。

 

この仕組みを使うとサーバー側でアプリの変更が完結するため、iOSやAndroidの審査の手間を省くことができるんです。そのため、お客様の要望にきめ細かく寄り添ったアップデートもしやすく、より良いアプリへと成長させていく流れができていきます

 

先ほど紹介した『MUSENAVI』でも、裏側では『BaaS@rakuza』が活躍しています。会場や展示によって、ガイドのデータやデザインは異なりますよね。それぞれの会場に合わせてカスタマイズできるのは、『BaaS@rakuza』を介してデータを簡単に変更できるからなんです。

 

 

 

なるほど〜、ピープルソフトウェアさんがアプリの開発に便利な裏側のシステムを自社開発して持っているからこそ、お客様やユーザーの要望に寄り添う保守運用が可能になっているんですね・・・!!

 

エンドユーザーの立場でありつづける

 

ピープルソフトウェアさんが目指していることはありますか?

 


お客様が過ごす「時間」や「価値」をより豊かにしていくことを目指しています。

 

弊社は昔は、パソコンソフトなど「物」を作って売る商売を行っていました。しかし今ではただ「物」を提供するのではなく、その先の「体験」をより豊かにし、お客様の過ごす「時間」や「価値」に彩りをもたらすことを、ビジョンとして掲げています。

 

『MUSENAVI』や『AppShips』など、体験型のサービスに力を入れているのは、こうした思いから来ています。

 

そうしたビジョンの実現のためには、どんなことが大切なのでしょうか。

 

エンドユーザーと呼ばれる、実際にサービスを使う人の視点を持ち続けることですね。

 

『AppShips』の場合なら、実際にスーパーで買い物をする方がエンドユーザーに当たります。「エンドユーザーがどんな場面でアプリを使うのか」「どんな情報を欲しているのか」、私たちは常に想像力を働かせながら開発をしています。

 

例えば、「レジでバーコードを出したいのに、アプリが重くてなかなか開かない」とか「何度も画面をタップしないとたどり着かない」という使い勝手だと、とても不便ですよね。

システム開発においてエンドユーザーにとって一番使いやすい製品にする」という視点をぶらさずに持ち続けることが重要だと思います。

 

 すごく難しそうな気もします。どうしたらそうした意識を持ち続けられるのでしょう

 

一つは、個人でなくチームで仕事をすることです。

 

弊社ではシステムの機能ごとに分担をして開発を行っています。でも個人に任せきりにするのではなく、制作したものを客観的な視点からレビューする作業も欠かさず入れています。

 

エンジニアはパソコンとにらめっこしながらシステム開発をするので、一人だけでやっているとどうしても視野が狭くなってしまうんですね。しかし、客観的なレビューによって異なる角度の意見に気づくことができ、成果物の品質を高めることができるんです。

 

チームでレビューし合いながら、エンドユーザーの目線を持ち続ける。

もう一つは、クライアントと実際に打合せをすることです。

 

弊社は社員の9割がエンジニアなので、クライアントとのやりとりも基本的にエンジニアが行います

 

構想の段階からアプリとして公開できるまで、さらには公開後の運用についてまで、何度も先方の担当者の方との対話を重ねます。企業の現場の方々が目指しているものや実際の使い勝手など、直接お声をいただくことで、よりクリアにお客様視点に立つことができます。

 

そうした積み重ねで、私たちユーザーにとって使いやすいアプリはできあがっていくのですね…!

 

ピープルソフトウェアで働く魅力

「相手のために」がモチベーション

ここからは開発のお二人が実際に感じることについて聞かせてください。一緒に働くメンバーはどんな方が多いのですか?社内はどんな雰囲気なんでしょうか?

 

メンバーは、論理的なコミュニケーションが得意な人たちが多いですね。

 

例えば何か業務でミスが起こったとしても、個人の失敗自体を責めるのではなく「業務の進め方や組織の仕組みに問題はなかったか」とそれぞれが考え、以後ミスが生じないための仕組みづくりを検討していきます。そんなふうに、視野を広くして論理的に考えるという風土はあると思います。

 

エラー処理の考え方が身に付いているのかもしれませんね。

 

エンジニアは突発的な不具合や原因不明のエラーに直面することが多いのです。その時に、思いつく要因を一つ一つ消していき、可能性の高い原因にたどり着くという方法を取っています。こうした論理的な思考が、対人コミュニケーションにも染み付いている気がします。

 

論理的思考や、個人ではなくチームで働くという姿勢が根付いている。

 

お二人にとってどんなことが仕事のモチベーションになっているのですか?

 

私は、将来家族と一緒にゆっくり時間を過ごすために、今仕事を頑張っています。「エンジニアとして、こんな物を作って成果を上げたい!」という思いよりも、「プライベートを充実させるために」という思いがありますね。それによって会社のみんなともいい仕事ができるので。そんなモチベーションのもと、日々体調管理に気を付けながら、限られた時間で質の高い仕事をしようと思っています。

 

私も若い頃は「自分の技術力を高めたい!自分が早く戦力になりたい!」と思っていましたが、今は「みんなでいい仕事をするには」というような、もう少し穏やかな考え方で仕事をしています。部下たちを支えるために、今の仕事を頑張りたいと思っています。

 

お二人とも、自分の中に目標や思いがあるというより、誰かのためにという思いでお仕事に向き合われているのですね。

 

確かに、「自分がこうなりたい!」という野心に燃えるタイプの人は少ないかもしれないですね。どちらかというと、「相手のために」をモチベーションに感じている人が多いですね。

 

「相手のために」という思いが、お客様に寄り添う姿勢にも現れている気がしますね…!

 

誰かを思いやる気持ちを持ちながら仕事に向き合うお二人。インタビュー中もあたたかい雰囲気でした。

 

ユーザーが一番触れる部分をつくる

これまでされてきたお仕事の中で、印象的だったものがあれば教えてください。

 

食料品などの余剰物資を適正化するというSDGsに関わるプロジェクトに携わったことが、印象に残っています。このプロジェクト内で、弊社は適正配分のためのマッチングシステムの制作を担当することになりました。

 

実は僕は大学時代、農学系の学部で学んでいて、SDGsへの関心も強かったんです。卒業後は全く畑違いのピープルソフトウェアに入社したのですが、「いつかSDGs関係の案件に携われたらいいな」と漠然と考えていました。だから、このプロジェクトにエンジニアとして貢献することができて嬉しかったですね。

 

またその時に、エンジニアリングの面白さに改めて気づくことができました。

 

単にシステムを作るだけでは、課題解決はできません。マッチングシステムを実際に人が運用し、物資の適正配分を図っていくプロセスに、どんな課題があるか。そこを洗い出してどう解決するかまでを検討する必要がありました。この課題抽出と解決を「IT」で行うのが、まさにエンジニアリングの面白さだと感じました。

 

エンジニアリングって難しくて縁遠い印象がありますが、実はユーザーが一番多く触れている部分なんですよね。「どうしたらエンドユーザーが快適に使えるか」を考えアプローチするのは、とても楽しいです。

 

エンジニアだからできることに楽しさを見出した重光さん。

 

他人を思いやりながら、あなたらしく

これから就職する大学生や高校生に向けて、メッセージをお願いします。

 

就職活動の時の話になりますが、自分らしさを大切にしてほしいです。

 

何も特別なことを言う必要はなくて、育ってきた環境の違いから自ずと生まれてくる、誰もが持っている個性を見せてほしいなと思います。その方が、無難な受け答えよりも印象に残ります。

 

緊張からうまく喋れないこともあると思いますが、大人側は広い心で見ています。ちょっとした失敗でマイナス評価をすることはあまりないので、物怖じしすぎず、個性を出して思いを伝えていってください

 

実際に働き始めてからの話になりますが、自分だけが得をするようなやり方ではなく、他人に配慮して良い影響を及ぼせるような行動をすることが大切だと思います。

 

どの業種に行っても、会社での仕事は個人プレーではなく組織でのプレーです。挨拶や時間の使い方などシンプルなところからでもいいので、他人にも目を配りながら頑張っていってください。

 

大切な視点ですね・・・意識してみようと思います!今日はお忙しい中時間を割いてくださり、ありがとうございました!

 

 

(編集:有澤可菜)

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