「日本でいちばん大切にしたい会社」審査委員会特別賞受賞
「ものづくり日本大賞」優秀賞受賞
「中国地域ニュービジネス大賞」受賞など、注目を集めている岡山県内の製造業・株式会社英田エンジニアリングのNIC製造部で働く万殿さんに、大学生の馬場さんがお話を伺いました。
目次
企業活動を深掘りしてみる
「ちょっと進んだモノづくり」を
――会社概要について、教えてください。
――万殿さんが働いているNIC製造部は、どんな部署ですか?
――どんな事業をされていますか?
――NIC製造部社員さんの年齢層を教えてください。
仕事なんでね、全部が楽しいわけじゃないんです。辛いことも多いんですけど、みんなで解決していったり、何年かかってもできなかったことが、突然できるようになったりすることが嬉しいです。「一生懸命やっていくって、本当は楽しい」ということを、みんなに教えていきたいと私は思っています。
i/lock(アイシャロック)の事例を紐解く
――自動車盗難防止用電動バリケードi/lock(アイシャロック)の開発経緯について教えてください。
ボラードは、8tぐらいの車が時速50キロで突っ込んでも突破できないような、自爆テロを防止するための装置です。空港、造幣局、原子力発電所、迎賓館など重要施設に納めていました。「この製品を設置したら、車の盗難防止になるのでは?」と、弊社に問い合わせも多数いただきました。
――最初からよく売れたのですか?
――どのようにして、購入しやすくしたのですか?
――今後の展開を教えてください。
英田エンジニアリングだからこそできた
――i/lock(アイシャロック)と似た製品をつくろうと真似をする企業はないのですか?
――なぜ、御社は実現することができたのですか?
海外と日本のコインパーキング事情の違い
――海外展開について、教えてください。
駐車場事業をされている台湾セコムさんとともに、日本と同じような設置型のコインパーキングを少しずつ展開していっています。
――コインパーキング以外も展開していますか?
万殿さんの「働く」を深掘りしてみる
社員を大切にする意識
――入社の経緯を教えてください。
現弊社社長(当時は課長)が、「バイトこんか」と声をかけてくれたので、本職が休みの日に、アルバイトに行くことになりました。再度大阪転勤をすすめられたときに、退社を決め、上司の推薦で弊社に入社しました。こういう仕事をしたいから入社するという意識は、全然なかったんです。
――そうだったんですね。意外です。
私のような失敗を繰り返さないために、新入社員に週に1回勉強してもらっています。一般常識や、地元のことや人として正しい考え方を学んでもらっています。海外の方もいらっしゃるので、日本語の勉強もします。単位制をとっていまして、3年間ぐらい週に1回勉強をし、最後に卒業証書をもらう制度です。 入社してくれた子を育てていこうと思えば、働くことの意味などを指導してあげないといけないですね。
――目標や、やりがいを教えてください。
社員は、会社に大切にしてもらっていると感じれば、恩返ししたくなるんですよ。会社のために努力しようかな、この上司ならついて行こうかななど。そういうことを目指さないといけないですね。 また、法政大学の坂本先生という方が、全国8,000社を回って、伸びている企業について「日本でいちばん大切にしたい会社」としてまとめておられます。具体的には、 1.社員とその家族 2.協力企業の社員とその家族 3.現在顧客と未来顧客 4.地域住民とりわけ高齢者や障碍者の方たち 5.支援機関や株主 この5人の方たちを大切にしている会社です。 弊社は第12回大会で審査委員会特別賞を受賞しました。会社のなかでの勉強や研修を通じて、あることに気づきました。社員に楽しい人生を送ってもらうだけではなく、一生懸命になれたり、苦労してでも達成感を味わってほしいと思っています。みんなにも伝えたいし、そうなってほしいです。
「日本ものづくり大賞」優秀賞受賞の舞台裏
――チャレンジングな仕事はありましたか?
――どんな苦労がありましたか?
合格基準として、5万回作動しても壊れない製品を目指しました。小型化すると、例えば2万2000回で異常が出てきたりとか、完成するまでに20回近くやり直しました。取付可能な車種が1車種増えればみんな喜ぶんですよ。試験の途中で本体に異常が出ると、みんなガクンとなる。一喜一憂しながら、販売までもっていきました。 また、実は今年(2023年)の1月に日本ものづくり大賞の優秀賞を受賞しました。昨年は、NBCの中国ニュービジネス大賞の大賞も受賞しました。苦労したかいがありましたね。
――モノづくりの醍醐味みたいな感じですよね
目指したい未来について聞いてみる
定年のない会社へ
――どんな会社を目指していますか
これからは、商売の経験を生かし、雇用を作ります。ある年齢になったら終わりじゃなくて、好きな時間帯に来てもらい、元気なうちはずっと働いてほしいです。頼られたり、役に立っている実感や規則的な生活がどうしても必要なんじゃないかと。 70歳になっても働きたいという希望があれば、アグリ事業をしていただくことができます。耕作放棄地の持ち主にも喜んでいただけるし、雇用をつくることができるので、みんながハッピーです。
食堂・ジム・座禅道場!?
――御社には、ユニークな施設があると伺いました。
――すごい投資ですね。
約20年間スポーツトレーナーに従事した方に、専任ジムトレーナーとして社員になってもらいました。全社員に運動の目的(ダイエットや筋力UP、腰痛対策など)をヒアリングして、その人に合ったトレーニングメニューを指導してもらっています。
――座禅もできると伺いました。
1か月に1回、過去40回近く座禅の機会がありました。はじめた頃は30分座ると足がビリビリしたり、痛かったですが、慣れてくるんです。座禅って深い呼吸をすることが大事で、終わった後は頭がスッキリします。心の訓練ということで、座禅をやっています。
――新入社員さんや学生さんにも、御社の魅力は伝わっていると思いますか?
(編集:横山 麻衣子)