百聞は一見にしかず。聞いただけではよく分からなかったけど、実際に目で見たらよく分かったという経験は誰しもあると思います。
昨今では、身近ながら専門性の高い防災や医療などの分野を、最新の映像ツールで理解しやすくする取り組みが全国で広がっています。そうした事例の最前線に立つプロ集団が岡山にいるって、ご存知でしたか?それが、3DCG・VR映像技術を用いて人の行動変容をアシストするプロ集団・株式会社白獅子(以下、白獅子)です。
今回は、「もしもの時」を映像化して誰もが有事を「疑似体験」できる世界を作っている株式会社白獅子さんに、大学生が突撃してきました。先進的な映像技術で人々を行動変容に導く事業に、ぜひご注目ください!
目次
3DCG・VR映像を通して、意識と行動を変える


自社商品への愛情が大きい、敏腕営業マン。「猫の白くんが社長」という面白いコンセプトと、白獅子の自由な社風に惹かれて入社を決める。本人曰く、熱中すると突っ走ってしまう性格とのこと。

旅行とドライブが好きな大学2回生。最近はアルバイトを通じて、働く上で大切なのは「誰とどんな環境で働くかだ」と感じて、企業の雇用環境への意識を強くしている。
専門分野は視覚化して伝える時代に




機密事項の保護、個人の気持ちへの配慮、映像の正確性、これらを同時に反映するのが難しいです。

※リンク先では火災や津波の3DCG映像が流れます。ご注意ください。

火災VRの映像

また、災害時の知識があまりない方にもVRを通して災害の疑似体験をしてもらうことで、知識の底上げになります。
身近なことなのに、伝わりにくい「災害」「医療」への心構え


そのため、NPO法人や中学・高校・大学、自治体など多くの団体の方々に利用していただいています。


これは、術後の患者さん達や医療従事者の方々が交流会を行うためのVR空間を提供するものです。特定の場所や日時を指定しても人は集まりにくいですし、そもそも手術した直後の方は移動が困難ですよね。VR空間の中で身体への負担も軽減でき、患者さん同士で意見交換を行うことで早期回復に繋がると思います。

食道がんの術後ケアをVR空間上で行うアプリのイメージ

最近では「VRで避難所体験ができないか」とお声がけいただくことが増えています。避難所では、段ボールベッドや床で寝るのが当たり前で、照明は暗く、衛生環境も十分ではありません。 直近で発生した能登地震では簡易ベッドが不足し、多くの方は体育館の床に布団を敷いての雑魚寝でした。こういった「避難所のリアル」を体験できるVRを作りたいと思ってます。この映像によって、被災者さんたちの抱える課題が見えるので、防災教育をされている方、ボランティアをされる方、医療従事される方が、リアルに現場を理解することができます。


頭から被る形のヘッドマウントディスプレイVRゴーグルは非常に没入感を生み出せるデバイスとして、活用を続けたいと思っています。一方、弊社としては特別なデバイス無しで、日常に馴染むようなツールを使い、行動変容に繋げていきたいと考えています。
例えば、スマートフォンを通した防災教育ゲームの開発です。災害から生き延びることがテーマのゲームと、データをみんなでシェアできる仕組みをセットでつくりたいと考えています。ゲーム内では単純に避難するだけでなく、人を助けることもでき、人を助けると自分の動きも遅くなるなどのリアルな条件を設けていきたいと考えています。

防災教育は「学校や自治体が行うもの」、いわゆる「公助」のイメージが強いと思います。しかし、当ツールを使い、行政サービスとしての「公助」を「自助」「共助」という自発的な動きに変えていきたいのです。
もしもの時に対する意識を一方的に与えるのではなく、自分たちからおのずと興味を持って学べるようなツールの制作が理想ですね。中学生や高校生の若い方がゲームをプレイすれば、ご家族やクラスメイトと話し、そこで災害時の情報を共有することができます。まずはシステム開発と話題作りの段階で貢献できたらと考えています。
朝日さんのもつ商品への自信と信頼が、営業活動の成功を生む
営業のモチベーションは「商品の良さに気づいてもらえること」


弊社では業務の分担を厳密には決めておらず、皆で臨機応変に協力し合っています。総務担当者が機材管理や営業補佐も担っているなど、部署間の連携もかなり柔軟ですね。事務所にいるメンバーがお互いをサポートしながら仕事をしているという感覚です。

例えば、弊社には髪色自由という環境があります。これにより「髪色の自由が許されてるんだから、これくらいのことはがんばって乗り越えよう!」と思えるわけです。 加えて、相手が弊社の商品を気に入ってくださることが、モチベーションに繋がっていますね。私自身、自社商品に自信をもっているので、胸を張って商品紹介できています。私は映像制作ができないので、作り手の方々を尊敬していますし、弊社の災害VRは本当に素晴らしい技術です。映像の鮮明さや、VR酔いしにくいところも自慢のポイントです。自社商品のクオリティの高さに気づいていただけることが何よりも嬉しいですね。


営業の現場では、「押す」と「引く」のタイミングを意識する

「映像が手元にあるので、5分だけ見てみませんか?」とお伝えすると、「5分だけなら」って言ってくださって、そこから15分以上お話が盛り上がることもあります。見ていただけると、クオリティが伝わるからです。VRが苦手な方でも自社商品は酔うことがないため、「すごいから見てみなよ!」と周囲の方々に勧めてくださることもありました。営業中には、まず見てもらうためのお声がけを大事にしてます。

都市部での津波でのVR。でも酔いにくい


でも、知らない人と話すのは好きなんですよ。営業中に誰も相手にしてくれない時はへこみますが、1〜2組は話を聞いてもらえます。相手をしてくださる方のおかげで何とかメンタルが保たれていると感じますね。


あとは、その場の雰囲気を見てムードメーカー的な方とか、反応がよさそうな方を狙って、まず映像を見てもらうことが営業のコツですね。その方が気に入ってくれると、周囲に話を広げてもらえる確立が高いので、アプローチする相手も戦略的に選ぶよう意識しています。

猫のしろ社長の存在も営業活動を後押ししている
学生時代、大切にすべきことのアドバイス



もちろん受験や大学での研究だけが全てではありません。でも、しっかり勉強することに損は絶対にないでしょう。もちろんスポーツに打ち込むのも全然ありだと思いますし、これだと思った活動に打ち込んでほしいですね。 何かに一生懸命打ち込んだ経験があると、大人になってからも人生の選択肢は広がります。ぜひ、「学び」を楽しんでください。

全く興味がない範囲の勉強や試験も、考える訓練だと思って積極的に取り組んでみてください。将来自分のやりたいことや好きなことに向き合う時に、学生時代に培ってきた思考力が活きてくるはずです。
(編集:森分 志学/執筆:杉原 未来)
代表取締役であり、3DCGデザイナー。そして、創業者兼社長秘書(社長は猫の白くんであるため)。国内外のクライアントとの劇場用映画やゲーム関連のCG制作を経て、現在の事業に至る。