「いろんな情報がアプリにまとまってるの、ありがたいな~」「電子チケット制度、めっちゃ便利!」
身近にあるアプリやwebサイトに、小さな感動を覚えたことはありませんか?
アプリの裏側には、そんな小さな感動を作るために日々開発に勤しんでいる人たちがいます。
今回は、岡山県発のIT企業・ピープルソフトウェア株式会社の社員さんに、情報工学を学ぶゆうやくんがお話を伺ってきてくれました。
とっつきにくい分野かと思いきや、私たちの知っている製品とも深く関わりがあり、身近に感じるポイントがたくさん。会社の雰囲気や、社員さんがどんな目線でアプリを開発しているのか、読みどころたっぷりです!
目次
生活を彩る幅広いサービス
プロダクト事業部プラットフォームチーム所属。入社5年目。プログラミング未経験で入社。
私たちに身近なオンライン学習のシステム!
弊社では、様々な業種の企業から委託を受けてソフトウェアをつくる「受託開発」と、自社製品を開発してビジネスを行う「自社開発」の二軸で、サービスを提供しています。
みなさんの学習環境って、ITによってすごく変化していますよね。オンラインで授業を受けられたり、タブレットで採点できたり。きっと多くの学生さんが見たり使ったりしたことがあるのではないでしょうか?
ただ「お手伝い」といっても、システムの設計の部分においては、ITの見地からより便利にするにはどうしたらいいかなど、積極的に関わり提案するようにしています。
日々の暮らしを豊かにするアプリを開発
はい。自社開発では、特にスマホアプリの開発に力を入れています。 例えば、博物館や美術館、工場の見学で利用できる音声ガイドシステム『MUSENAVI(ミューズナビ)』があります。 展示品に関する情報や背景、豆知識などを、使い慣れた自分のスマホで教えてもらえるサービスです。実物を見ながら音声データで解説を聞くので、見学に集中できるという楽しみ方もできますよ。
そうなんです。他にも、大学のオープンキャンパスの情報をより便利に得ることができる『桜Campus(さくらキャンパス)』や、スーパーの情報をスマホで見られる『AppShips(アップシップス)』というアプリなども作っています。 弊社が自社ビジネスとして開発するものは、お客様が生活の中で実際に見たり触れたりするものが多いですね。
iOSやAndroidのアプリの場合、バージョンを変更するたびにiOSやAndroid側の審査に通すというルールがあるんです。これがかなり大変で、たった一文字を修正するだけで審査に数日を要してしまうんですよね。また、アップデートのたびにデータが膨らみ、アプリが重くなってしまうというデメリットもあります。 そこで、弊社では『BaaS@rakuza(バースアットラクザ)』というクラウドサービスを開発しました。 この仕組みを使うとサーバー側でアプリの変更が完結するため、iOSやAndroidの審査の手間を省くことができるんです。そのため、お客様の要望にきめ細かく寄り添ったアップデートもしやすく、より良いアプリへと成長させていく流れができていきます。 先ほど紹介した『MUSENAVI』でも、裏側では『BaaS@rakuza』が活躍しています。会場や展示によって、ガイドのデータやデザインは異なりますよね。それぞれの会場に合わせてカスタマイズできるのは、『BaaS@rakuza』を介してデータを簡単に変更できるからなんです。
エンドユーザーの立場でありつづける
弊社は昔は、パソコンソフトなど「物」を作って売る商売を行っていました。しかし今ではただ「物」を提供するのではなく、その先の「体験」をより豊かにし、お客様の過ごす「時間」や「価値」に彩りをもたらすことを、ビジョンとして掲げています。 『MUSENAVI』や『AppShips』など、体験型のサービスに力を入れているのは、こうした思いから来ています。
お客様が過ごす「時間」や「価値」をより豊かにしていくことを目指しています。
『AppShips』の場合なら、実際にスーパーで買い物をする方がエンドユーザーに当たります。「エンドユーザーがどんな場面でアプリを使うのか」「どんな情報を欲しているのか」、私たちは常に想像力を働かせながら開発をしています。 例えば、「レジでバーコードを出したいのに、アプリが重くてなかなか開かない」とか「何度も画面をタップしないとたどり着かない」という使い勝手だと、とても不便ですよね。 システム開発において「エンドユーザーにとって一番使いやすい製品にする」という視点をぶらさずに持ち続けることが重要だと思います。
弊社ではシステムの機能ごとに分担をして開発を行っています。でも個人に任せきりにするのではなく、制作したものを客観的な視点からレビューする作業も欠かさず入れています。
エンジニアはパソコンとにらめっこしながらシステム開発をするので、一人だけでやっているとどうしても視野が狭くなってしまうんですね。しかし、客観的なレビューによって異なる角度の意見に気づくことができ、成果物の品質を高めることができるんです。
弊社は社員の9割がエンジニアなので、クライアントとのやりとりも基本的にエンジニアが行います。 構想の段階からアプリとして公開できるまで、さらには公開後の運用についてまで、何度も先方の担当者の方との対話を重ねます。企業の現場の方々が目指しているものや実際の使い勝手など、直接お声をいただくことで、よりクリアにお客様視点に立つことができます。
ピープルソフトウェアで働く魅力
「相手のために」がモチベーション
例えば何か業務でミスが起こったとしても、個人の失敗自体を責めるのではなく「業務の進め方や組織の仕組みに問題はなかったか」とそれぞれが考え、以後ミスが生じないための仕組みづくりを検討していきます。そんなふうに、視野を広くして論理的に考えるという風土はあると思います。
エンジニアは突発的な不具合や原因不明のエラーに直面することが多いのです。その時に、思いつく要因を一つ一つ消していき、可能性の高い原因にたどり着くという方法を取っています。こうした論理的な思考が、対人コミュニケーションにも染み付いている気がします。
ユーザーが一番触れる部分をつくる
実は僕は大学時代、農学系の学部で学んでいて、SDGsへの関心も強かったんです。卒業後は全く畑違いのピープルソフトウェアに入社したのですが、「いつかSDGs関係の案件に携われたらいいな」と漠然と考えていました。だから、このプロジェクトにエンジニアとして貢献することができて嬉しかったですね。
またその時に、エンジニアリングの面白さに改めて気づくことができました。
単にシステムを作るだけでは、課題解決はできません。マッチングシステムを実際に人が運用し、物資の適正配分を図っていくプロセスに、どんな課題があるか。そこを洗い出してどう解決するかまでを検討する必要がありました。この課題抽出と解決を「IT」で行うのが、まさにエンジニアリングの面白さだと感じました。
エンジニアリングって難しくて縁遠い印象がありますが、実はユーザーが一番多く触れている部分なんですよね。「どうしたらエンドユーザーが快適に使えるか」を考えアプローチするのは、とても楽しいです。
他人を思いやりながら、あなたらしく
何も特別なことを言う必要はなくて、育ってきた環境の違いから自ずと生まれてくる、誰もが持っている個性を見せてほしいなと思います。その方が、無難な受け答えよりも印象に残ります。
緊張からうまく喋れないこともあると思いますが、大人側は広い心で見ています。ちょっとした失敗でマイナス評価をすることはあまりないので、物怖じしすぎず、個性を出して思いを伝えていってください。
どの業種に行っても、会社での仕事は個人プレーではなく組織でのプレーです。挨拶や時間の使い方などシンプルなところからでもいいので、他人にも目を配りながら頑張っていってください。
(編集:有澤可菜)
プロダクト事業部プラットフォームチームリーダー。入社16年目。