百貨店でのショッピングって、なんだかワクワクしませんか?きらびやかなブランドコーナー、スタッフの方々の輝く笑顔とホスピタリティあふれる接客、魅力は溢れんばかりです。
全国各地に名店がありますが、岡山に本拠を置く百貨店といえば、天満屋さんですよね。でも、実は天満屋さんが38ものグループ会社を持つビッグなグループ企業なのだということを知っている人は少ないのではないでしょうか。
大学生の三嵜くんが直撃取材で知った百貨店事業にとどまらない天満屋さんのスゴさを、今回はお届けします!
目次
グループ全体の力で岡山に貢献する百貨店


入社8年目。百貨店事業本部主任、WEB・カタログチームWEB担当(2024年12月時点)。最近のマイブームはIKEAでのショッピング。月一度は通っており、先日は可愛いグラスと、使いやすい物干し竿を購入したそう。

旅行とドライブが好きな大学2回生。最近はアルバイトを通じて、働く上で大切なのは「誰とどんな環境で働くかだ」と感じて、企業の雇用環境への意識を強くしている。
地域に根付いた事業を続けて、約200年。



商売が盛んな大阪で商業の勉強をしてきた創業者が、当時まだこのあたりでは珍しい「正札(しょうふだ)販売」の手法を取り入れました。これは値札で値段を提示するという販売方法です。




百貨店になった頃の本館正面ショーウインドウ(昭和3年発行 記念誌より)




グループ全体のシナジー創出を目指す



天満屋では、創業からこれまでもずっと「地域貢献」に取り組んでいました。創業200年を目前にして、もっと地域のために、地域の方々の役に立つためにはどうしたらいいかを改めて考え、取り組みを強化しています。
グループ内で、人材や情報を交流させて相互の強みやリソースを知ることで、新たなイノベーションが生じる可能性があります。


ですから、私達は地域の企業や学校、全市町村に直接出向き、現場の生の声をキャッチすることからはじめています。さらに今ではもう一歩踏み込み、井原市、津山市などの市役所で、天満屋社員が自治体の職員の方々と一緒に働きながら、一緒に課題解決を行う取り組みも実現しています。


この時期、東京都・新橋にある鳥取県と岡山県のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」の運営をする団体の募集がありました。私たち天満屋の、岡山県にも鳥取県にもお店があり、地域の魅力をよく知っているという点を強みに、手を挙げさせていただきました。
2024年春のショップ運営開始後には市町村ごとの特産品にフォーカスした催事を開催しました。この取り組み以降、定期的な開催につながっています。今後も地域ごとの課題やご要望を深く調べ、よりスピード感をもって対応していきたいと考えています。


昨今都市部の百貨店は訪日外国人でにぎわい業績が伸びていますが、インバウンドの恩恵が少ない地方百貨店は伸び悩んでいると言われます。そういった中で今後はどれだけ地域の方々に頼っていただける存在になれるかが地方百貨店の存続の鍵になると、私達は考えています。
天満屋グループは百貨店だけでなく多種多様なグループ企業を展開しているので、それだけたくさんの課題解決の手段を提案できるということです。
今後も、天満屋グループの力を集結して地域の皆様のお役に立つことで、「天満屋があってよかった」「この地域に住んでいて良かった」と思っていただける存在になりたいですね。
天満屋が引き上げていく「人」と「商品」の魅力


そのため、弊社では教育にも力を入れています。特に今年は「教育元年」として、従業員の主体的な学びを応援する取り組みを強化しています。たとえば、特別な日の贈り物を探しに来店される方が多いので、より良い商品をおすすめできる知識と技術が必要不可欠です。そのため、スタッフには「ギフトコンサルタント」「食生活アドバイザー」といった社内外の資格取得を推奨しています。仕事に直結する資格だけではなく、それぞれの興味関心のある資格の取得も応援しています。
また、顧客満足度のさらなる向上を目指し、月2回の「天満屋ステップアップセミナー」にも力を入れて取り組んでいます。「最初のお声かけの練習」「特定の商品をおすすめする練習」など、毎月テーマを変えて接客の練習に励んでおり、最近のセミナーでは接客中の映像を見てお客様が何を欲しがっていてどんなお声がけをするべきか客観的に考える練習をしました。
ネットショッピングが身近になり今後も発達・さらに普及していく中で、振り子のようにリアル店舗の「ここでしか買えない」「ここでしかできない体験」が大切になると考えています。そこで重要なのは、販売技術や商品知識だけではなく「人の魅力」で、モノより時間や機会が重視される今、社員一人ひとりが人間性を高めることが何よりも重要だと思っています。

岡山生まれ岡山育ちで天満屋を選んだ、住吉さんのキャリア
幼い頃から大好きだった場所に就職



採用面接の際も話しやすい方々ばかりで、就活の状況も親身になって聞いてもらえたため、就職を決めました。






現在は天満屋のオンラインショップを扱う部署にいます。ECサイトの企画では、ただ「北海道グルメ」と情報を集めただけのページを作っても人気は出ません。売れ行きの良いページ作成のためには、新しい切り口のコンセプト考案や、魅力的な商品の集積を意識する必要があります。
そういったところでは、大学時代に関心を持っていたカフェやマルシェのコンセプトから企画の着想を得ることもあって、経験が活きていると感じます。
商品に秘められたドラマが人々の心を動かす



しかし、外出規制が終わるとECサイトでの販売スピードが鈍化してしまい・・・例年通りに企画を出しても売り上げがどうしても伸び悩んでしまう状態になりました。この時期の改善案や新たな企画を生み出す過程では、とても苦労しましたね。


例えば、くだものの生産現場に直接お伺いして、生産者さんに取材を行い、生産の工夫やその地域の特色などの情報を収集します。その上で、農作物が手間暇かけて育てられていると伝わるページ作成を心がけたのです。

こういった取り組みは、生産者さんとの関係性を深めることができると同時に、自身の知識を深めることにもつながります。結果、商材や企画のクオリティにも磨きがかかったと自分自身感じています。



毎年冬になるとカタログとECの両方で青森県産のリンゴを販売していて、例年ページには生産者の方からのメッセージや生産の工夫をのせていました。しかし、「リンゴだけでなく『町』のことも知ってほしい」と考えたのです。
板柳町は明治時代からリンゴ栽培の中心地であったとともに、今でも「日本一のりんごの里づくり」を目標にかかげており、地域全体がリンゴ栽培に誇りを持っている町でした。それを伝えたいと、リンゴ栽培が土地に根付いたストーリーも紹介することにしたのです。
板柳町の方々には、「ページを見る度に心が動かされます」と言ってもらえました。


今年は、ネットショップ限定商品をご用意してECサイトだけの持ち味を強化しました。特にケーキ類は海外の人気ブランドを集めており、特に関東圏で売り切れが続出しているブランドを中心におすすめしていく計画です。
実は、天満屋ECサイト「バレンタイン特集」を使用しているお客さまの3割以上が関東にお住まいの方です。バレンタインデー、ホワイトデーをきっかけに岡山の特産品にも注目していただけるよう、ストーリー性のあるページ作成を中心に様々な戦略を練っています。


次年度は作り手の方へのヒアリングにもっと力を入れていく予定です。例えば、岡山県の特産品である白桃やマスカットについて、果樹園の土づくりから、月に一度のペースで生育状況を取材するつもりです。
生産者さんの熱意を分かりやすくお届けし、人々の心を動かす企画をつくりたいですね。
心のときめきを感じて、やってみよう!



私は以前、一人のお客さんとして、天満屋からワクワクをもらっていました。今では天満屋に就職し、仕事が自分の人生を豊かにできるものの一つになっています。心が折れそうな時でも、ワクワクを取り戻せるものが近くにあると元気になれる気がしています。
現在はECサイトの担当をしていますが、接客サービスの助っ人に入ることがあります。最近では「相手にプレゼントを送りたい」というお客さまと一緒に品物を探し、相手との思い出話も聞く中で、とても心があたたまりました。自分の内側からモチベーションを生み出すと、仕事も無理なく継続できると思います。
そのためにも、ぜひ自分の心のときめくものが何か、今のうちに探してみてほしいと思います。

私は大学の卒業論文で「岡山弁と関西弁の境界線がどこにあるのか」を研究しました。日生駅から姫路駅までの各JR駅周辺でアンケートやインタビューなどを行い、どちらの方言を使うのか調査したんです。
最近、赤穂が出身だという学生さんと採用面接でお会いし、卒論研究の副産物として赤穂のローカルトークができました。それでその学生さんとの距離がぐっと近くなり、親近感を持っていただけたかなと思います。
また、インタビューを通して仲良くなったご家族がわざわざ店頭に来てくださり、モチベーションにつながったこともあります。学生の時の「やった」「行った」は、必ず将来の自分を助けてくれるはずですよ。


(編集:森分 志学/執筆:杉原 未来)
勤続18年目のアセットマネジメント事業本部新規事業部課長(2024年12月時点)。マイブームは発酵食品を食べたり作ったりすること。卒論のテーマは「岡山弁と関西弁の境界線はどこにあるのか」。