ネイリストから缶詰プロジェクトの代表へ転身という異色の経歴をもつ三好千尋(みよし ちひろ)さん。
一般社団法人コノヒトカンの代表として働きながら三人のお子さんを育てているお母さんです。
今回インタビュアーを務めるのは小学校教師を目指している大学生のしおさん。プロジェクトや三好さんが大切にしている考え方、これまでのキャリアを伺う中で「なりたい職業に自分は合っているのか」という働く前の不安への処方箋を彼女は見つけられるでしょうか…?
目次
【コノヒトカンと三好さん】
★三好 千尋(みよし ちひろ)さん
食と貧困の課題解決を目指すコノヒトカンプロジェクト
でも「お家でお店の味を楽しんで欲しい」とお弁当にしてみたものの、結局すごく余ってしまって。それが「せっかくの食材や料理を、必要な人にロスすることなく効率的に届けることはできないのかな?」と考える出発点になりました。
「周りの人を喜ばせたい」が原動力
正直、失敗だらけで辞めたくなったことも一度や二度じゃないんです。実際に協力してくださるみなさんに「プロジェクトを辞めたいです」と言ってしまったこともありました。 でもシェフの方々が「僕らがレストランでお客様に料理を作れないでいるなか、三好さんが『保存食を作りたい』と言ってくれたことが本当に嬉しくて、僕らにとっての光だったんだ。だから、最後までやろうよ」と励ましてくださったんです。実現まで諦めずにやり遂げることができたのは、みなさんのおかげです。
でも、そういう気持ちに満足はなくて「もっともっと」って思っちゃう。もっと喜んで欲しくて、もっとネイルが上手になりたいって思うからどんどん高い目標が出てきちゃう。「コノヒトカン」でも、「もっとたくさんの人に届けたいな」って思いが次々湧いてくるので、まだ全然プロジェクトが完成したとは思っていないんです。
だから「コノヒトカン」でも、このアイテムをきっかけに「こんなことがしてみたい!」という想いを持つ人達を増やしていくため高校生社会課題解決アイデアコンテストを開催しています。
【三好さんのキャリアに学ぶ「就職」のとらえ方】
どんどん変わっていく三好さんのキャリア
高校卒業間近になったころ「ネイリスト」っていう言葉が出はじめたのを知って「この仕事は絶対これから来る!」ってすぐに思いました。でも専門学校の学費が高額で手が届かず、入学はできなかったんです。 その学費を稼ごうと思って、地元・長野を離れてずっと憧れていた東京で働くことにしました。
それから岡山県に引っ越してきて主婦をして、3人の子どもに恵まれました。岡山に友達は全くいなかったので、子育てサークルを立ち上げたりしていたんですけど、やっぱりもっと人とのつながりや刺激が欲しくなって。そんなころに「あ、私、東京で〇百万稼いで絶対ネイリストになるって言って地元を出たのに全然叶えてないな」って思い出したんです。 それで、32歳のときにようやく専門学校に通い始めました。
「就職」よりも大きな決断は、たくさんある
自分がどこにいたいか、どうなりたいかを決めるのは自分ですから、合わないと思ったらまた新しい場所を探せばいい。最初の決断を大きくとらえすぎなくても、きっと大丈夫ですよ。
(編集:横山麻衣子、北原泰幸)