日常生活において欠かせない電気や水。電力会社が電気を、水道事業者が水道水をつくり、各家庭まで届ける仕組みがあることは知っている人は多いはず。でも、実はその仕組みをうまく働かせるためには、機械を制御するパーツが欠かせないんです。
今回は、その不可欠な役目を担う「制御盤」を製造している山陽電研株式会社のお二人に話を伺いました。生活インフラの根幹にどんな技術があるのか、今まさに挑戦していることとは何か、岡山大学のけんたろうさんが迫ります!
目次
国内外の生活を支える「制御盤」を作る
システムソリューション室所属。設計部に所属していた頃、他社に出向して経験したことを活かして、システムソリューション室を立ち上げる。
日常生活に欠かせない制御装置
オーダーメイドで国内外に納品
▼山陽電研株式会社のテレビCM▼
少し専門的な話になりますが、通常、国内製のPLCは日本語仕様です。しかし、海外の企業は、外国語仕様の海外製のPLCで納品してほしいわけです。そのご要望に応え、日本語対応していない海外製のPLCを使ってソフトを設計し、納品しているんですよ。同業他社で海外企業に納品している企業は多くないと思います。
工場一括管理システムを、お客様が手が届く価格で
弊社はそのなかで使われる部品の一つを製造しているというのが現状です。 しかし今、一つの製品だけではなく、設備全体の製造を手掛けられるようになる>ことを目標に計画し、進めています。
現状、一つの工場に様々なメーカーの制限盤が何種類もあることが多いため、一括管理が難しい状況なんです。一括管理ができないことはありませんが、そのシステムを導入しようとすると、ものすごく高額な導入費用がかかってしまいます。 すでにお客様から「もう少し安価で一括管理ができるシステムはないか」とご相談をいただいていて、弊社で開発したものを提案しました。2024年の夏頃には、納品が完了し、工場が動き出す予定です。
お客様との共同で実現する山本さん・江崎さんのお仕事
常に新しいことに取り組むシステムソリューション室
好きではなくなっても続けられるモノづくりがしたい
一方で「自分が好きなものを作っている会社に入社すると、もしもそれを嫌いになったときに仕事を続けていけないかも知れない」という不安もありました。 山陽電研の手がける製品はインフラの一部なので、正直パッと見て何を作っているかはわかりづらかったんです。でも、それがかえって「目にするのが嫌になっても作り続けていけるかな」とも感じて(笑)。 少し安直な考えだったかもしれませんが、それで入社したいと思いました。
「続けられるモノづくりをしたい」と選んだ会社でしたが、世の中で役に立つ製品を作ることができるんだと実感できたことが、入社後の嬉しいギャップでした。
システムが円滑に動くまでお客様とやり切る現場の仕事
工事した後に不具合が出ると動かなくなってしまうので、原因を調査するのですが、コンテナを保管している広いコンテナヤードをみんなで走って行って、3m~5mあるクレーンに垂直梯子を使って上ったんですよ。
そんな仕事を真夏に毎日していた結果、日焼けして真っ黒になっていたんですよ。自分では気づいていなかったんですけど(笑)。 私が岡山に戻った頃、インドに出張に行っていた社員もちょうど戻ってきていました。インドはとても暑くてそちらの現場も大変だったらしいんですが、彼と私の姿を見比べると私のほうが黒かったんですよ!
山陽電研のみなさんからあなたへ
好きなことを一生懸命楽しんで
大それたことじゃなくてよくて、遊ぶことでも十分いい。自分がやりたいことを一生懸命やることで、社会に出てからの人間関係や仕事に活きてくることがあると思います。
(編集:金城 奈々恵)
システムソリューション室所属。さまざまな制御盤を動かすプログラムのソフト設計から現場業務まで幅広く担当している。