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人を大切にできる子どもを英語教育で・池上真由美さん

この記事では、吉備国際大学の教授として、英語を通じて人との関わりを大切にする心を育てる池上 真由美(いけがみ まゆみ)さんの生き方に触れていきます!

 

教育との出会いから今まで

教育に進むきっかけとなった大学生活

 

──池上さんが教員を目指したきっかけって何ですか?

 

ちょっとネガティブなスタートなんだけど、教育学部しか受からなかったんですよ(笑)

最初は絶対教員になるつもりはなくて、英語を使って仕事しようと思っていました。その考えがコロっと変わったのが教育実習ですね。大学3年生の時に行った教育実習で、180度変わりましたね。もう絶対に先生になりたい!って。

 

──「なりたくない」から、「なりたい」に変わったんですね。

 

もうこんな面白いことはないんじゃないかなと。コロっと(笑)

そもそもなんで教員になりたくないと思ってたかっていうと、中学3年生の時の担任の先生が「お前ら絶対教員にはなるな。こんな大変な仕事はないぞ。」って言うんです。それをすごく真に受けて、「そうなんだ、やっぱ大変なんだ。」って思って、絶対に教員にならないと思っていたんです。

 

──そこから教育実習に行って変わられたんですね。教育実習のどこが魅力的だったんですか?

 

やっぱり一番の決め手は、実習の最後に子ども達が書いてくれるお手紙。もうあれにやられちゃって(笑)

授業中は全然反応しなかったような子とか、真面目にやってくれなかった子が、「良い先生になってください!頑張ってください!」って書いてて。それをもらうと、もうダメで笑。「なるしかないかー!」と、本当に180度コロッと変わって。絶対教員になろうって思いましたね。

 

──子どもたちに落とされた訳ですね(笑)

 

小学校・中学校を経験した教員生活

大学では英語を勉強していたので、中学校の教員になりたかったんです。でも、岡山県の教員採用試験には受からなかったんですよ。

なので、1年長野県で中学校の教員をした後に、岡山県に来て中学校の講師をしました。その後も岡山県の教員採用試験にチャレンジしてたんだけど、中学校英語の教員の採用がほぼないっていう状態だったので、とりあえず小学校の先生になろうと。

 

小学校の教員になってから、人事交流で中学校に行こうという長期計画に変更したんですよね。

 

──小学校の教員を経験された後に、中学校の教員になられたんですか?

 

そうですね。小学校の教員採用試験に合格して、まずは高梁小学校に赴任しました。それから小学校を何年か経験した後に、当時の校長先生が小・中の人事交流に私を推薦してくれて、中学校の先生になることができたんです。

中学校の教員になれたのは、私が教員になって13年目ですかね。小学校を2校経験した後に、やっと本当にやりたい中学校の英語に戻ってこれたんです。

 

──それからは中学校の教員として英語を教えてこられたんですか?

 

そこからは英語が好きっていう生徒を一人でも増やすことを自分のライフワークにして、中学校の英語に没頭してましたね。

 

学校の教壇をおりてから今まで

中学校の教員として現場で働いた後は、教育委員会に入って、その後校長先生としてもう一度現場に出ました。その頃には小学校に英語がやっと導入されたんですよね。

だから、小学校英語と中学校英語の両方について語れるのは、どちらも経験した私しかいないかなと思っていましたね。

 

──小・中どちらの現場も長年経験されている先生って珍しいですよね。

 

今は大学の方で仕事をしているんだけど、小学校と中学校の両方を経験している先生ってあんまりいないんですよ。だから、小学校英語と中学校英語の接続を考えたり、教えたりする場面で、小学校の経験が役に立ってますね

当時は、中学校の教員になるまでの13年間は回り道かなと思ったんだけど、最終的にはいい経験だったなと思いますね。

 

──当時は回り道だと感じても、今改めて振り返ると池上さんにとって大切な時間だったんですね。

 

だから大学生には講義の最後に言うんだけど、「人生で無駄なことは一つもないよ。だから夢は諦めなかったら、必ずいろんな形で叶うよ」って。本当に失敗とか回り道の多い人生なんだけど、結果自分が一番やりたいことがうまくできてますね。

 

 

教育に対するこだわり

人を大切にできる子どもを育てる

英語がすごくいい教科だなと思うのは、一人では学べないところなんです。必ず相手がいて、人と繋がるときに必要になるツールですよね。

だから英語という教科を通して、人を好きになる・人を大切にする・自分を大切にする、そういう人間尊重の精神を育てることができる教科だなと思ったんですよ。

 

──他の教科よりも人との関わりが英語は多いですよね。

 

もちろん、英語力を身につけることも大切なんだけど、一番大切なのは自分も人も大切にできるような人間になること、そういう人を育てることじゃないかなと思っています。それが私のこだわりですね。

 

──英語という手段で人間尊重の精神を育てることが、池上さんの大切にされている部分なんですね。

 

なので、大学生に教えるときも同じで。もちろん優秀な英語の教員、英語の好きな教員、英語の好きな子どもを育てられる教員を育てたいんだけど、究極は人間を大切にする人を育てたい。

だから極端に言えば、英語はできなくてもいいんですよ。英語を一生懸命やろうっていう姿勢を身につけていれば。

 

──そのような英語の魅力をどの様に中学生に伝えられていますか?

 

中学生に「英語を好きでいてください。そのためには、まず仲間を好きになってください、そして最終的に人を好きになってね。そしたら英語が自然にうまくなるんだよ。」という話をしています。

 

ただ、これを言葉で言うだけでは伝わらないから、授業の中で体験しながら伝えていく。だから授業のやり方も、基本勉強って一人でするものだけど、授業はみんなで作るようにしていましたね。英語の授業なんだけど、道徳の授業だと思って作っていました。

 

池上さんが抱くこれからの教育の理想

アメリカと日本で感じた教育の差

アメリカに留学している自分のゼミの生徒が言うんだけど、とにかくディスカッションが多いんです。でも、今までディスカッションをやってきたことがないので、なかなか議論についていけない。海外の学校はとにかく小さい頃から自分の意見を持って、それを表現させる訓練をすごく受けてきてる。でも日本の子どもって、表現する訓練を受ける機会が少ない。

 

──小・中学校でディベートなどのディスカッションをする機会ってほどんどないですよね。

 

自分が大学で行っている授業ではアクティブラーニングって言って、ディスカッションをして、結論をみんなの前で発表して、ということをやっています。でも、海外の教育では、それでは通用しないくらいにもっと深いところまで議論するんだろうなと思ってます。

実際に大学での授業を見てると、大体簡単にまとめちゃって、議論を深めていかないんだよね。だからすぐ話し合いも終わるし、浅い話し合いで終わっちゃってるんだよね。

 

──生徒が主体的に考えたり、発言し、行動するといった部分の差を感じられたんですね。

 

これからの教育の理想

──池上さんが考えられている、今後の教育の理想はなんですか?

 

自分の頭で考えて、意見をきちっと言えるような子どもに育てていかないといけないと思っています。

やっぱり教育は先生から与えるっていう一方的なものじゃなくて、学ぶ側がこれをやりたい、こんなふうに追求していきたい、そういう主体性を持てるような教育をこれからもっともっとやっていかないといけないと思っています。

 

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