進学や就職を考えて資格を取る。きっと多くの人がしていますよね。でも、本当にしたいことと資格が直接結びつかないこともよくあること。今回のインタビュアーの下園さんも、英検2級を持っているだけに悩んでいます。
「直接資格を活かせる仕事に就いた方がいいのかな?」
その答えのヒントを得るために、英語を活かして仕事をしている上村統美(うえむらもとみ)さんに話を聞きに行きました。
目次
上村さんのお仕事
熊山英国庭園のイベント運営や情報発信
ーー熊山英国庭園ではどんな仕事をしていますか?
ーー知ってはいるんですが、行ったことはないんです。
小学校跡地にポツンとあらわれた英国式のお庭です。「英国庭園」という施設名に負けないイベントや情報発信をしています。約13年間過ごしたイギリスでの経験を活かして多くの年代に来てもらいたいと思っています。
ーーどんなことを新しく取り入れたんですか?
ーー地域おこし協力隊の仕事で英語は使いますか?
児童英会話の講師も
ーー児童英会話の講師はどんな仕事ですか?
一方で、小学5、6年生以降の勉強や英語が嫌いになってしまっている子達の対応は大変でもあります。
ーー英語の勉強って大変ですよね。私も長時間机に向かっているのがとても苦手なんです。
上村さんのこれまで
第1章 海外に目が向くようになった転機
ーー上村さんはどんなお子さんでしたか?
ーー海外との接点はありましたか?
ーー海外に強く興味を持つようになったきっかけはなんですか?
高校生の頃から英会話教室にも通い始めて。学校の授業とはまた違う「ディスカッション」などを通して、違う世界があることを知りました。それで、17歳のときにカナダにホームステイに行くことにします。
ーーカナダで印象に残ったことは何ですか?
このときに印象的だったのは「意外に英語は通じるものなんだな」という実感です。学校の成績も英語だけは良く、自分でも試したいと思っていたので大きな自信になりました。
第2章 12年間の英国暮らしと英国文化
ーー12年間暮らすことになるイギリスとはいつ出会ったんですか?
ただ、そのときはイギリスで暮らしたいとまでは思っていなくて。日本の通関業者での仕事を始めて忙しくなり、イギリスのことは忘れていたんです。でも、数年仕事するうちに何か「窮屈さ」のようなものを感じるようになってきてしまって。そんな頃、たまたまワーキングホリデーという制度があることを耳にしました。 留学は勉強をしなければなりませんが、ワーキングホリデーであれば仕事をするのも旅行をするのも自由。もともと海外旅行のためにお金を貯めていたので「このお金で行くだけ行ってみよう」と思い立ちました。
ーーワーキングホリデー先にイギリスを選んだのは、やはりお友達のところに行った経験があったからですか?
ーー日本で英語を学ぶのではなく、海外で生活する中で学ぼうと思ったのはなぜですか?
きっとみんな若いときには「とりあえず意欲だけ、行き当たりばったりで行動する」という時期があるのではないでしょうか(笑)。
ーーカナダと比べてイギリスの良さはどんなところにあると感じましたか?
ーーイギリスの文化で一番惹かれた点はどこにありますか?
ガーデニングも自分だけが楽しむものではなくて、会話の始まりになるものなんです。 「今日天気いいわね」とか、「こんな花が咲いてるのね」と会話を始めるツールでもあって。そうした余裕が素敵だなと思いました。 私が住んでいたイングランドのコッツォルズは、産業革命から離れて美術やアートが発達したところでもあり、心の豊かさがすごく育つような感覚がありました。
第3章 英国で得た「何歳だってできる」
ーー帰国後はイギリスでの経験を活かして児童英会話講師とアロマ講師を始めたんですよね。
児童英会話には発達心理学がとても役立ちますし、アロマテラピーにも興味があったので。それに60過ぎてからカウンセラーをはじめてみたいなとも思っているので、学びはじめました。
ーーそれもやはりイギリスでの生活の影響があるのですか?
以来、日本に戻ってからも何を言われようが「何歳だってできる」と行動しています。地域おこし協力隊も20代の人が多いと思うんですけど私は30代後半でした。でも「仕事としてチャンスがあるんだったら応募してみよう」と応募して、今に至っています。
第4章 人生において、点はいつかつながる
ーー私は英語が好きというわけではないんですが、大学受験に役立ったらと英検2級を取りました。それで親は「英語を活かせる仕事をしてみたら?」とアドバイスもしてくれます。でも、私には目指している仕事もあって。上村さんはどう思いますか?
でも、せっかくやりたいことがあるなら、そちらを選んでいいんじゃないかなと私は思います。 もしかすると何年後かにその仕事で海外の人と接することがあったり、考えてもないところで役に立つことがあるかもしれません。
ーー英語に直接関わる仕事でなくても、英検の資格は無駄にならないでしょうか?
私は英語を中学校のときに学びはじめましたが、まさかこんな仕事をするようになるとは思い描いていませんでした。先ほども言いましたが地域おこし協力隊の業務では直接英語を使いませんが、英語が間接的に役立っています。「Connecting the dots」という言葉があります。人生、いろんなことがつながっていきますから。
ーー「Connectiong the dots(つながる点)」ですか。
ーーちなみに、上村さんの人生に何か名前をつけるとしたら何がありますか?
ーーありがとうございます!これから上村さんの生き方のエッセンスを取り入れていこうと思います。
(編集:北原泰幸)
今回のゲスト。長年イギリスに住んでいて、現在は赤磐市の熊山英国庭園で活動中。児童英会話講師も務める。趣味は遠出と料理、森林浴。