オシャレが大好きな人なら一度は心惹かれるのが美容師というお仕事ですよね。でも、「大変そう」というイメージを思いうかべる人もいるかもしれません。
美容師は実際どんな仕事なのか、どんな素質を必要とするのか。今回は美容師になりたいと考えている高校生が、美容師であり美容院経営者でもある本郷理英子(ほんごうりえこ)さんに思い切って聞いてみました!
目次
登場人物紹介
『HAIR&FACE Natural』グループの代表。岡山市と倉敷市に3店舗の美容院を経営している。カットだけ、その日だけでなく、365日お客様の「美」をサポートする美容のプロフェッショナル!
美容のプロにこれまでの生き方を聞いてみた
友達の髪をセットするのが好きで、高校の女子寮では後輩に一晩中「貧乏パーマ」を当てて、髪をセットさせてもらってました。 でも、両親は美容師を目指す私をすごく心配してたんです。
それになにより、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。お客様に喜んでもらえて、お客様が増えていく。それは「私の人生の大切な人」が増えていくような感覚で……。 だから「美容師ってキツい仕事だ」っていう世間のイメージを変えたいのもあって、今の『HAIR&FACE Natural』を始めたんです。
加えて大事にしているのが365日ヘアスタイルやお化粧を楽しむための土台づくりとアフターフォロー。スコープで頭皮や髪の毛、肌の状態をチェックしてお客様と共有した上で、今どんなケアが必要かを提案しています。
例えば「今日はちょっとお肌の調子いいな」と思うと、なんかテンション上がって楽しくなるじゃないですか。「今日ちょっとメイクいい感じでできたな」って思うと、人前に出て見てもらいたくなりますよね。心まで美しくしてくれる気がする。 だから、「美容」っていうのは人を明るくするパワーを持ったすごく大切なものだと思ってます。
美容師に憧れる高校生の不安
最初はちょっとわからないかもしれないけど、先輩に聞いたら優しく教えてくれると思いますよ。
でも、これはさっきの「美容師の大変なところは?」って質問にもつながるかもしれない。スタッフ同士が協力し合うためには意識的にコミュニケーションを取っていかなきゃいけないよね。例えば、お客様が「頭が痛いから優しくシャンプーしてほしい」って言っているのに、シャンプーするスタッフに伝え忘れたらどうなる?
だから、ウチは月に1回はミーティングの時間をとっているし、今はそういうサロンが増えてきているんじゃないかな。就職するときに面接で「スタッフ間のコミュニケーションをどんなふうにとってますか」って聞いてみると、きっと教えてくれると思うな。
でも、ネガティブも大事ですよ。「次は絶対失敗しないように気をつけよう」って次につなげる準備ができるでしょ?だからネガティブでも大丈夫ですよ。
美容師ってね、不器用なぐらいがちょうどいいって私は思ってます。自分が不器用だってわかってるから、上手くなりたくて頑張って練習するんですよ。それが大事。お客様だって「私不器用なんですけど、喜んでもらいたくて頑張ってます」っていう人を応援してくれるんです。 私が髪の長さで失敗してしまったお客様も「おーい、この前こっちの方が長かったぞー。次はがんばってくれよ」って、気長に応援し続けてくれました。20年ぐらい経った今でも、その方はお客様として来てくれているんですよ。
美容師の大切な素養はきっと二つだけだと思うんです。一つはまずオシャレが好きで、キレイやかわいいを大切に思う気持ちがあること。もう一つは、お客様の喜びを自分の喜びのように感じられること。 相手がキレイになって喜んでくれる姿を見て自分も喜んで幸せな気持ちになれる心があれば、お客様のために腕を磨くはずだし、お客様も「またあなたにやってもらいたい」と思ってくれる。だから、その二つが自分にはあると感じていれば大丈夫ですよ。
無限に広がる美容の世界に向けて、今できること
だから、今のうちに「どんなことをやってみたいか」を考えて、そこから逆算して、学びたいことが学べる学校を探していくのがいいんじゃないかな。
頑張るんじゃなくて、楽しんでね。
(編集:北原 泰幸)
将来は美容師になりたいと思っている高校1年生。思い切りがよくてオシャレ大好きだが、ちょっと不安を感じやすい一面も。