美容師に憧れる高1生、思い切ってプロに不安を打ち明けてみる。

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公開日 2023.03.28

オシャレが大好きな人なら一度は心惹かれるのが美容師というお仕事ですよね。でも、「大変そう」というイメージを思いうかべる人もいるかもしれません。

 

美容師は実際どんな仕事なのか、どんな素質を必要とするのか。今回は美容師になりたいと考えている高校生が、美容師であり美容院経営者でもある本郷理英子(ほんごうりえこ)さんに思い切って聞いてみました!

登場人物紹介

★ゆめなさん
将来は美容師になりたいと思っている高校1年生。思い切りがよくてオシャレ大好きだが、ちょっと不安を感じやすい一面も。

 

★本郷さん(本郷理英子)
『HAIR&FACE Natural』グループの代表。岡山市と倉敷市に3店舗の美容院を経営している。カットだけ、その日だけでなく、365日お客様の「美」をサポートする美容のプロフェッショナル!

 

美容のプロにこれまでの生き方を聞いてみた

私、将来美容師になりたいんですけど、実はいくつか不安があるんです。だから実際に美容業界で働いている方とお話できてうれしいです。今日はよろしくお願いします!

 

美容界のホープだね、うれしい!緊張しなくて大丈夫だから、今日はどんどん質問してくださいね。

 

ありがとうございます!じゃあ、さっそく。本郷さんはどうして美容師になろうと思ったんですか?

 

きっかけは小5のとき、初めて自分で選んだ美容院での出会いかな。担当してくれたのがめちゃめちゃキレイで優しいおねえさんで、「これ、美容師になったら私もこんな素敵なおねえさんになれるんちゃうか?」って思ったんです(笑)。

 

友達の髪をセットするのが好きで、高校の女子寮では後輩に一晩中「貧乏パーマ」を当てて、髪をセットさせてもらってました。

 

でも、両親は美容師を目指す私をすごく心配してたんです。

 

どうしてですか?

 

お休みが少ないとか、働く時間が長いとか、お給料がすごく安いんじゃないかとか、すごく大変だっていうイメージが両親の中にはあったみたいで。

 

ああ〜。私もちょっとそこが気になってます。本郷さんは実際になってみてどう感じましたか?

 

今は業界全体で改善されてきているんですけど、確かに私が就職したころは一ヶ月丸々働いても月の手取りが10万円もなくて、大変なところはあったかな。でも、キャリアを積むにしたがって「稼げる形がある」っていうことがわかってきました。

 

それになにより、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。お客様に喜んでもらえて、お客様が増えていく。それは「私の人生の大切な人」が増えていくような感覚で……。

 

だから「美容師ってキツい仕事だ」っていう世間のイメージを変えたいのもあって、今の『HAIR&FACE Natural』を始めたんです。

 

すごいなぁ。どんなお店なんですか?

 

コンセプトは「似合わせ」です。その方の「なりたい自分のイメージ」と、私たちプロ視点での「似合う」を掛け合わせてお客様に提供しています。

 

加えて大事にしているのが365日ヘアスタイルやお化粧を楽しむための土台づくりとアフターフォロー。スコープで頭皮や髪の毛、肌の状態をチェックしてお客様と共有した上で、今どんなケアが必要かを提案しています。

 

カット中の本郷さん

カット中の本郷さん

 

スタッフのみんなに対しては、他店舗で展開して人数にも余裕がある分、産休や病休といったお休みもとりやすくできているのも特徴かな。困った時にお互い助けあえる人が多いのはすごく幸せなことだから、そういう関係性を育める会社にすることを大切にしています。

 

素敵です…!本郷さんにとって「美容」ってどんなものなんですか?

 

毎日のテンションを上げてくれる最高のアイテムかな。

 

例えば「今日はちょっとお肌の調子いいな」と思うと、なんかテンション上がって楽しくなるじゃないですか。「今日ちょっとメイクいい感じでできたな」って思うと、人前に出て見てもらいたくなりますよね。心まで美しくしてくれる気がする。

 

だから、「美容」っていうのは人を明るくするパワーを持ったすごく大切なものだと思ってます。

 

めっっっちゃわかります!!素敵すぎる…!

 

美容師に憧れる高校生の不安 

本郷さんは美容師の職業で大変なのはどんなところだと思いますか?

 

新しいトレンドのスタイルや薬剤がめまぐるしく変わっていくことですね。学ぶことを止めるとすぐに遅れていってしまうから。反面、いくらでも学べる楽しさがあるとも言えるんですけど。

 

 

それ、美容院に行って私も感じました。「私、こんなに覚えられるのかな!?」って。

 

私も思ってました(笑)。けど、意外と大丈夫ですよ。メーカーさんが教えてくれるし、うちの場合は入社してから基礎知識を学ぶカリキュラムがあるんです。学校に通ったり練習する場を設けたりしていて、先輩たちもサポートしてくれる期間になっています。

最初はちょっとわからないかもしれないけど、先輩に聞いたら優しく教えてくれると思いますよ。

 

実はそこも気になってるんです。「入ったばかりのころは先輩がめっちゃ怖い」って話を聞いたことがあって……。美容師の上下関係は厳しくないんですか?

 

うーん、どうだろう。身内を褒めるのはなんだけど、うちはみんな優しい子ばかりだし、支え合って感謝し合う関係があるから仲がいいよ。業界全体で見ても、今はそんなに厳しく言う人は多くないんじゃないかな。

 

でも、これはさっきの「美容師の大変なところは?」って質問にもつながるかもしれない。スタッフ同士が協力し合うためには意識的にコミュニケーションを取っていかなきゃいけないよね。例えば、お客様が「頭が痛いから優しくシャンプーしてほしい」って言っているのに、シャンプーするスタッフに伝え忘れたらどうなる?

 

きっといつも通りシャンプーしちゃいますね。

 

そうだよね。それではお客様を不快な気持ちにさせてしまう。私たちはテレパシーが使えないから、言葉でしっかり伝えないといけない。それはきっと学校や部活と同じだよね、仲が良くても言わなきゃいけないことは言ってあげないといけない。

 

だから、ウチは月に1回はミーティングの時間をとっているし、今はそういうサロンが増えてきているんじゃないかな。就職するときに面接で「スタッフ間のコミュニケーションをどんなふうにとってますか」って聞いてみると、きっと教えてくれると思うな。

 

なるほど、そうやって聞いてみたらいいんですね!

 

うん。美容学校の現場体験で気になるサロンに行ってみたり、そのタイミングでなくても見学させてもらうのもいいと思う。お客さんとして美容院で聞いてみるのもいいかもしれないね。そうしたら「ちょっと怖いかも」とか「全然そんなことなかった」っていうのを知ることができて、不安を取り払えるかもしれない。

 

たしかに、どんな雰囲気なのか分かっていると安心できそうです!私、実は結構ネガティブに考えちゃうところがあって。きっと美容師をしていたら落ち込むこともありますよね。

 

そうだね、若手のスタッフはお客様に仕上がりを納得してもらえなくて「直してほしい」と言われて落ち込んだって言っていたことがあったなぁ。そんなときは「もう1度チャンスをもらえているってポジティブに捉えることも大事だよ」と伝えています。

 

でも、ネガティブも大事ですよ。「次は絶対失敗しないように気をつけよう」って次につなげる準備ができるでしょ?だからネガティブでも大丈夫ですよ。

 

もう一つ聞いてもいいですか……?

 

もちろん。どうしたの?

 

私、手先が不器用なんです。実はそれが一番心配で……。こんな私でも美容師としてやっていけるんでしょうか。

 

私と一緒。私もめっちゃ不器用で、カットを担当し始めたころなんかヘタすぎてお客様の髪の左右の長さが違うこともあったぐらいで……(笑)。

 

ホントですか!?

 

うん、だからきっと大丈夫。

 

 

美容師ってね、不器用なぐらいがちょうどいいって私は思ってます。自分が不器用だってわかってるから、上手くなりたくて頑張って練習するんですよ。それが大事。お客様だって「私不器用なんですけど、喜んでもらいたくて頑張ってます」っていう人を応援してくれるんです。

 

私が髪の長さで失敗してしまったお客様も「おーい、この前こっちの方が長かったぞー。次はがんばってくれよ」って、気長に応援し続けてくれました。20年ぐらい経った今でも、その方はお客様として来てくれているんですよ。

 

素敵ですね!

 

だから不器用ウェルカム。一所懸命、目の前のお客様のために頑張っていたら、きっと可愛がってもらえると思います。

 

美容師の大切な素養はきっと二つだけだと思うんです。一つはまずオシャレが好きで、キレイやかわいいを大切に思う気持ちがあること。もう一つは、お客様の喜びを自分の喜びのように感じられること。

 

相手がキレイになって喜んでくれる姿を見て自分も喜んで幸せな気持ちになれる心があれば、お客様のために腕を磨くはずだし、お客様も「またあなたにやってもらいたい」と思ってくれる。だから、その二つが自分にはあると感じていれば大丈夫ですよ。

 

よかった、めっちゃ安心しました……。

無限に広がる美容の世界に向けて、今できること 

これから私が美容師になるために高校生のうちにしておけることはありますか?

 

いろんな美容室に行ってたくさんの美容師さんを見ること、それと美容に携わる仕事にどんなものがあるかを調べていくことかな。美容師の国家資格を持っているといろんな活躍できる場所があるから、どんな美容師になりたいかイメージを広げておくといいと思いますよ。

 

なるほど!ヘアカットやエステ以外にも美容の仕事はあるんですか。

 

うんうん。ネイル、マツエク、眉毛のスタイリング、それに着付けもあるよね。ブライダル関係やヘアセットやヘアメイクとしてショーに関わる仕事もあるし、販促が得意なら美容師やエステティシャンに販促の仕方を教える講師の仕事だってある。どんな形で美容のキャリアを作っていくのか、それこそ可能性は無限大なんです。

本郷さんは経営について学びを深めている。

だから、今のうちに「どんなことをやってみたいか」を考えて、そこから逆算して、学びたいことが学べる学校を探していくのがいいんじゃないかな。

 

OKです、やってみます!

 

なにより、良い美容師になりたいならトレンドにも敏感になって、自分をオシャレでキレイにしておくことを楽しんでほしいな。私もドラマを観る時間がなくても、女優さんの髪型だけはチェックして自分で試してみたりしているよ。

 

頑張るんじゃなくて、楽しんでね。

 

もう、すっごくためになりました!!本郷さんにお会いできて本当によかったです。私、絶対美容師になりますね!

 

私も会えてうれしかったです。未来にこんな素敵な美容師さんが現れるんだってわかって、今からホントに楽しみ。また会いましょうね。

 

ありがとうございました!

(編集:北原 泰幸)

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