皆さんは音楽イベントや動画配信とどのくらい接していますか?
今回は、舞台やイベントを裏側から支える大人・佐藤郁也(さとういくや)さんと、舞台裏に関心をもつ高校生・ナガコウとの対談模様を記事にまとめてみました。
目次
登場人物紹介
OMS (おかやまメディアサポート)代表。音響、映像、配信と幅広い知識と技術を身につけて仕事をしているイベントの裏方さん。音響と配信のプロフェッショナル!
NPO法人だっぴの代表の人。聞き役なのであまり出ませんが、たまにポツリとつぶやきます。
音響&配信のプロに、これまでの生き方を聞いてみた
映像とかパソコンの方は、小5の時かな。「やってみたいっ」て言ったらおじいちゃんが「まぁ、やってみりゃええがー」ってポーンと買ってくれたんですよ。それで小6の時にはHTMLでホームページを作るようになってました。
音楽専攻って言っても専門はメディアミックス。作曲してレコーディングして映像をつけて、それをyoutubeにアップ、更に自分でホームページを作って貼り付けるっていう複合的なことをする学科でした。
PA(Public Address=音響機材や音響機材を扱う人)という、音響もできるし、動画もできるし、フォトレタッチもできるというちょっとマルチな仕事人を目指して勉強してましたね。
卒業した時には音楽関係では就職ができなくて。5年間ビックカメラでサラリーマンとしてテレビ・オーディオ・エアコンを販売していました。それから個人事業主として今の仕事である『OMS (おかやまメディアサポート)』を立ち上げました。
あとは、性格的な部分。僕は自分を崖っぷちに追いやらないと全然やらないタイプで、やってもやらなくてもお金をもらえるサラリーマンじゃモチベーションが上がりきらない部分があった。
だから、自分でやった方がいいなって思って個人で立ち上げることにしました。
次に、レコーディングができる設備、防音室、機材を用意して音楽教室を開きました。ボイストレーニングやピアノだけじゃなく、DTM(Desk Top Music)やボーカロイドみたいなパソコンを使っての作曲を教え始めました。
そしたら生徒数がめちゃくちゃ増えたので、もう少し広い場所を借りることにして。3年前に表町でライブハウスと音楽教室を一緒にした空間をつくったんです。
で、結構うまく行ってたんですけど、コロナ禍でライブもできなければ人も呼べないって状態になってしまったんですよ。もう本当に赤字続き。
そんな時、ちょうど自分は映像も強いし、ネットワークにも強いかったので、周りの詳しい仲間たちと『配信』にチャレンジしてみることにしました。高額な機材が必要だけど収入は低下してるし、賭けでしたね。
でも、楽しくて仕方ないんですよ。自分の手で配信して、それでどんどん世の中が変わって、みんなが「配信ってすごいね。こんなことできるんだ」って言ってくれるようなことをやりたいなって、ずっと走り続けてる感じです。
興味がないこと、得意でないこととどう付き合ってきたのか
学校で学んだことでイベント運営に携わる中で、こんなことしてたから役立ったっていう事例ってありますか?
「配信してたら、急に数式が出てきて問題が解決した!」みたいなことってあるのかなーって思って。
でも、学んでいることの諸々が未来の自分のプラスになるのかを判断するってやっぱりすごく難しいですよね。
だからといって、それだけやっていると、一歩ずれたら他に何にもできなくて人生の選択肢がなくていわゆる「つぶしがきかない」という状態になる。だから、特に今やりたいこと、強く「コレだ!」と思うものがない人は色んなものに触れて幅広くしてた方が絶対いいですよね。
そういう何かへの興味が強くて尖っているタイプも社会で求められていると思うよ。
「俺はここが得意だ」という絶対的な強みをそれぞれ持っている人達でチームを組んでするのが会社や組織だし、その仕事が他の人にできることだったら僕に頼む必要もないんですよね。
僕は自分の興味のままに突き進んで、今は音響と映像が得意で最高の配信をする人だって言われるようになろうとしています。その分野で困ったことがあったら、その人の顔が浮かぶって状態になれたらいいよね。
だから、僕のやりたいことにつながっているってわかったら、その時にめっちゃやりますよ。
コロナ禍で生まれた『配信』という仕事
配信を担当するということは、そのオンライン劇場の運営責任者をするということで、立ち位置が以前とは変わったと感じています。
配信は人が集まらないから安全ですが、エンタメの良さは生で見る部分がやはり大きい。生でないならやらない方がいいのか、それとも配信ならではの演出で魅力を引き出すのか。そういうことを主催者と一緒に考える立場になりました。
今ではだいぶスタンダードも定まってきましたが、この『配信』という仕事は今作られているところで、もう一つの職業であり、需要もめちゃくちゃあると思ってます。
そういう信頼関係を築いていくためには、「自分はこうしたい!」っていう思いをぶつけられないと作れないんですよ。どこまで本音をぶつけ合えるかだと思うんです。ケンカしたっていいんですよ。
そういう話ができる人とだから、ものすごくクリエイティブな面白いものが作り上げられるんだと思います。
たとえば、そのプロデューサーさんが自分には全く興味のないゴルフをむちゃくちゃ好きな人だったら、ゴルフをとことん勉強して一緒に行ってみようと思いますね。
自分の周りって類は友を呼ぶというか、自分と得意なことがかぶっている人が多いから、たまに嫌いな数学や国語に挑戦してみると、この先生めっちゃ詳しいな!なんて新しい発見があります。
そうして、人生の中で困った時に助けてくれる人、頼れる人をたくさん知っておくというのは大事なことだと思います。
これからいろいろあると思うんですけど、自分が本気になれる、本当に自分が楽しめることをするために、今日言われたことを頭の隅に置いて1本1本頑張ります。
高校2年生。中1の頃からメディア部の放送班と写真班に入っている。動画編集も得意で、学校の開会式や始業式のオンライン配信を先生と連携して担当。