「夢や目標が決まっている」という友達が増えてきたけど、自分にはまだまだそれが見えていなくて焦ってしまう。でも、いったい夢や目標って、どうやって見つけたらいいんだろう?
今回の記事はそんな悩みを持つ大学生・あかりんがインタビューに挑戦。真庭市で自らシェアハウスプロジェクトを立ち上げる一方、オンライン配信など多様な活動を手がけている藤田亮太(ふじたりょうた)さんに思い切って疑問をぶつけてみました。
「夢や目標はないのが普通なんじゃないかな」
そう語る藤田さんの真意とは・・・!
目次
【現在の藤田さん】
Q1.シェアハウスプロジェクトってどんな活動ですか?
ーー2021年から真庭市の余野でシェアハウスをつくる「プロジェクトよすが」を立ち上げられたとのことですが、どういう内容なのですか?
このプロジェクトは名前の通り「よすが(縁)」を大切にしていきたいと思って、シェアハウスの完成も目的のひとつだけれど、その作っていく過程でさまざまな人に関わってもらって、そこで新たな繋がりが生まれて、友達ができたり、ビジネスパートナーができたり、あるいは心の拠り所(よすがには拠り所という意味もあります)になれば、と思って取り組んできました。
ーーなぜ「プロジェクトよすが」を立ち上げたのですか?
もともと宿泊施設はあるので短期間の滞在はできるのですが、地域の行事やイベントに関わるにはもっと長期間滞在できる場所がないといけないなと感じて、このプロジェクトを立ち上げました。それに、単純に「空家活用」をやってみたかったんです。
ーー今までのプロジェクトで特に大変だったことはなんですか?
ーーやりくりしても資金が足りなくなってきた時はどうするんですか?
ーープロジェクトをやっていてうれしかったことは何ですか?
完成のお披露目会では餅投げをしたんですが、そのときは80人以上の人が参加してくれました。完成前にいろんな人に関わってもらって、これからもシェアハウスを拠点にイベントをしたりして引き続き人に関わってもらえたらと思っています。
Q2.オンライン配信はどんな仕事ですか?
ーーさきほどお話に出たオンライン配信事業というのはどんなお仕事なんですか?
企画の時点からコーディネートすることもありますし、もともとの企画があって「これをオンラインでしたいんですど、システム構築や運営・配信をどうしたらいいんでしょうか」という相談を受けて一緒にシステムを組む場合もあります。
ーー藤田さんがオンライン配信事業に力を入れはじめたきっかけはなんですか?
当時はやり方が確立されていなかったので、いろいろネットで調べて試行錯誤してオンライン開催にこぎつけました。それが今につながっています。
ーー関わっているイベントのためにやってみたことがスタートなんですね!オンライン配信を仕事としてしてみたい学生も増えていると思うのですが、何かアドバイスはありますか?
ーー自分のできる範囲でやってみるんですね。ありがとうございます!
Q3.複数のことをやる時間の使い方のコツは?
ーーたくさんの事業ややりたいことをされていますが、時間を使うときに気をつけていることはありますか?私はあまり上手じゃないのでコツをうかがいたいです。
コツはどこでも仕事ができるように、なるべく遠隔でも作業ができるようにすることかな。情報交換はLINEやMessengerを使って、できるだけ移動中にも連絡できるようにしたりしています。 企画や提案の文書を書くときもパソコンの前で座ってやるんじゃなくて、移動しながら考えてそれをスマホに打ち込んで、最後に体裁を整える作業だけをパソコンで行っています。だからいつも何か考えていますね。
ーー忙しそうですね。仕事モードがオフの日もあるんですか。
ーーなるほど!
【藤田さんの人生に学ぶ「やりたいことの見つけ方」】
夢や目標は無理に作らなくていい
ーー私はまだ将来の夢が決まってなくて。藤田さんはどうやって今のシェアハウスやオンライン配信といったやりたいことを見つけたんですか?
今の活動はそのときそのときに「やりたい」と思ったことに集中して一生懸命やった積み重ねの先にある感じで、ある瞬間に抱いた大きな夢ではないんです。結果的に「これがやりたかったことなんだ」と後から説明できるようになった感じかな。
ーー説明が後からやって来る。
ーーどうして「建築士」を夢にしたんですか?
そうしたら「大学に行くなら建築士になったらどう?」と言われて。それで「建築士」になることにしました。今思うと、なんとなく「何かちょっと違うな」と違和感を感じながらも自分に嘘をついて進路を決めていたように思います。
ーーそれで「建築士」という夢に進んでどうなりましたか?
そのままなんとか建築業界の設計事務所に就職したんですけど、その設計事務所をやめることになってしまいました。そこから転職活動をして、まったく違う業界の旅館に勤めることになりました。
ーー旅館のお仕事はどうでしたか?
ーー夢を変えられなくて苦しむ・・・。
だからさっきも言いましたが「夢がない、目標がない」っていうのは普通のことで、「そのときにやりたいと思ったこと」を一生懸命やるのがいいんじゃないかな。
ーーあまりに大きくとらえずに、興味を持ったことを「やってみる」のがいい。
誰かのやりたいことへの参加からでもいい
ーー旅館に務めて今の仕事をはじめるようになったのは?
でも、不思議なものでその時その時の「やりたい」と思ってたことに集中してやっていると、これまでの経験がつながってくるんですよね。例えば、シェアハウスプロジェクトをしていたら、なんとなく昔の「建築士を目指してたときのこと」が蘇ってきて、DIYで自分で作るようになっていました。
ーーバラバラに見えて、だんだんつながってくる。
一つの大きな夢や目標に向けて一つの仕事をしているというよりは、やりたいことを全部を走らせていきながら「ここの三つの事業をまとめて一つのプロジェクトにできるな」というように「走らせながら一つにまとめていく」という仕事の作り方をしていっています。
ーーそんな仕事の仕方があるんですね・・・!きっかけになるような小さな「やりたいこと」はどう見つけたらいいんでしょうか。
そうしたプロジェクトの手伝いの中で「求められていることに対して、自分ができることって何だろう」と考えて、できることを集めて答えとして渡すような仕事をしていました。
ーー他の方のプロジェクトのお手伝いをする中で、自分のやりたいことやおもしろいことをまた見つけていく。
ーー「誰かのやりたいこと」への参加からでもいい。ちょっと分かってきました!
やりたいことは広がっていく
ーーこれから藤田さんがやってみたいのはどんなことですか?
ーーなぜ「仕事」が必要なんですか?
でも、そうでない人が「余野って地域に来てみたい、住んでみたい」って言ってシェアハウスに入ると、その後今度「生活するためにこの地域で仕事を探さないといけない」ってどうしてもなると思うんですよ。 そうなったときに働き口を近くで紹介できるようになると、きっとより「余野」っていう地域の中に関われたり、シェアハウスに入ったりしてもらいやすくなりますよね。
ーーそれでプロジェクトをちょっとずつ広げていきたいんですね。
そうしたやり方ができる環境を、シェアハウスプロジェクトを通して僕としてはどんどん作っていきたいなと思っています。
ーー藤田さん、ありがとうございました!私もあまり気にしすぎず、とりあえず興味を持ったことをやってみようと思います!
今回のゲスト。真庭市余野で経済をつくるシェアハウスプロジェクトを立ち上げたleal.Labの代表。分野にとらわれず様々な活動に携わっている。