2022年4月に、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことをご存じですか?成年になるとできることの1つに、金融に関する契約もあります。
この機会に、一見難しそうですが、とっても大切なお金の世界に触れてみませんか?お金のプロである有限会社e.K.コンサルタントで働く木阪友美さんに、岡山大学生のうーさんがお話を伺いました。
目次
企業活動を深掘りしてみる
独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)とは
――e.K.コンサルタントさんは、どのような事業を行っているのですか?
――保険代理店とIFAとの違いを教えてください。
保険代理店は保険のみを扱っていますが、IFAは資産運用のご相談までできることが違いです。より専門的な知識を勉強する必要があるので、会社としてIFAに取り組んでいるところは少ないのです。
――HPを見ると、e.K.コンサルタントさんのポリシーとして、「モノ売り」ではなく「コト売り」を大切にすると書いてありました。
「モノ売り」とは、商品やサービス自体を売る手法で、「コト売り」とは、商品を使って得ることができる体験や感動などに価値を置くという手法です。 保険代理店は扱っている保険を買ってもらうための営業をしますが、扱っている商品が少ないと、どうしてもノルマ優先の「モノ売り」になってしまいます。「これを買ってください」というスタイルです。 私たちの会社は、「コト売り」をしています。資産運用まで扱うことができるので、将来どうなりたいか、不安をどう解消していくかという目線でお話を伺い、ライフプランを作成しています。
ライフプランを組んでお金の不安を解消する
――個人の相談の場合は、どんな相談が多いですか?
生命保険、車の保険、住宅ローン、老後の資産形成、相続対策などのご相談をいただきます。 一例ですが、お子さんが生まれたときに来店された方には、ご主人が亡くなった場合、どのくらいのお金が入ってきたら安心か、国から守られているお金と、実際に用意すべきお金をお客様と確認し、保険をつくります。
――お客様の年齢層を教えてください。
30代~50代の方が多いです。ご紹介は、20代の方が多いです。銀行にお金を預けていてもほぼ増えないことはご存じで、何かしないととは思っているなかで、きっかけがあったから話を聞いてみようという経緯の紹介ですね。
――お客様からの信頼が大事だと思いますが、信頼を獲得するためにどのような工夫をされてますか?
ニーズをきちんと聞き取って、どのような解決策があるかを提案しています。 例えば、新しいお客様は「家を建てるので、保険を見直したい」など明確な目的があるケースが多いので、「この商品を売りたいから、こんなことを言っている」と思われないように、きちんとお話を伺い、ライフプランを組むことを大切にしています。
――証券の運用についても教えてくださるのですか?
はい。楽天証券さんと正式にパートナー契約を結んでます。 楽天証券を運用したいけど、ネットの操作や入金方法がわからないという相談にも応えています。口座の開設、商品を選んで注文する方法、どんな画面が表示されるかなどをお伝えしています。楽天証券さんの店舗は、岡山県には私たちの会社以外にはないので、お客様に重宝していただいています。
――法人の場合は、どんな相談が多いですか?
経営者が亡くなったときに、倒産しないようにお金でカバーする保険や、お客様にサービスを提供しているときに損害があった場合、補償する保険のご相談が多いです。大金を支払う可能性がある場合は、保険をご提案して準備していただきます。
チームで解決する専門家集団
――必要な資格や、持っておいたほうがよい資格はありますか?
必要な資格は、証券外務員です。資格がなかったら、内定も取り消しになるぐらい大切な資格です。 持っておいたほうがよい資格は、FP(ファイナンシャルプランナー)です。証券アナリストという資格は、持っておくと「この人詳しいのかな」と、思ってもらえるような資格です。
――お客様によって提案する商品が変わるので対応が難しいと感じましたが、どんなことが大変ですか?
チームで解決しているので、困難さはあまり感じていません。最初にお客様にお会いしたときに状況を伺って、何を解決しないといけないのかを持ち帰っています。 車や火災などの保険が得意なチームがあるので、よりよい条件で保険の見直しができないか、よい保険会社が他にないかなど知識を持ち寄ることによって、またお客様とお会いするときに情報をご提供できます。 お客様への対応というよりも、会社が継続していくための努力が大変です。継続する会社として、社員が安心して勤めることができるよう、新しいお客様との出会いの創出や、選ばれる努力が大切です。そのために、一人一人が日々新しい情報を収集して、お客様にサービス提供をしています。
お金に関する正しい知識をもつ
――私も、わからないことが多すぎて…。多方面で相談できるIFAは需要が高まっていくと感じました。
わかりにくいですよね。うまい話に乗ってしまうのは、20代の方が結構多いようなので、お金の知識は最低限持っていただきたいです。SNSの情報を鵜呑みにするのではなく、自分でも学んでいく必要と責任は、一人一人にあると思っています。 お金に関する間違った情報が出回ってしまうことを、とても懸念しています。金融庁に登録した事業所から話を聴くなど、正しい情報を仕入れてほしいです。
――何歳から取引できますか?
18歳以上になると、自由に取引をすることができます。18歳になるまでは、保護者の口座に紐づきます。
――資産を守るために、どのような学びをしたほうがよいですか?
リスクを知ることです。よい話ばかりではありせん。お金が増える可能性と、減る可能性があります。大きく増えるような商品は、逆に大きくマイナスになる可能性もあるので、株や債券など、それぞれのリスクを知ることが大切です。
――中高生・大学生がお金について正しく知るために、おすすめの情報はありますか?
金融庁のホームページで、お金のことを勉強できるページがあるので、まずはそこがよいと思います。
木阪さんの「働く」を深堀りしてみる
会社をどう成長発展させていくかを考える仕事
――木阪さんは、どんなお仕事をしているのですか?
経営戦略室で、会社をどう成長発展させていくかを考える仕事をしています。2年ぐらい前までは営業の最前線で、お客様をまわっていました。
――入社されて、何年経ちましたか?
入社して、約6年です。所属する会社としては、3社めです。
――なぜ、入社しようと思われたんですか?
以前は、生命保険のみを販売していました。お客様に自社の商品を買ってもらわなくてはいけないので、どう上手に販売するか自分でも考えましたし、まわりの人ともそういう話になっていました。 でも、世の中を見てみると、保険の窓口が街中にあって。いろいろな保険会社の商品のなかから、お客様にとって一番よい商品を選ぶことができるほうが、本当に役に立っているんじゃないかと思えてきました。同僚も、いろいろな保険を扱う会社に移っていきました。転職するなら早いほうがいいよとも、アドバイスを受けました。
保険のみを販売する会社がほとんどのなか、e.K.コンサルタントは、私が本当にやりたかった資産運用など金融サービスのすべてを提供することができたので、入社しました。
よりよい人生を歩んでもらうお手伝い
――やりがいを教えてください。
よりよい人生を歩んでもらうお手伝いができることに、すごくやりがいを感じます。 例えば、お子さんが産まれたら、お客様の将来をイメージしながらライフプランを組むことで、進学でお金が要るタイミングや金額も目に見える形となります。 また車購入の場合、「10年ごとに1台、200万~300万ぐらい」とイメージし、将来生活するための貯金も踏まえ、お話を伺いながらライフプランを組み、準備がきちんとできるいうのは、お客様にとってすごくよい目印にもなっていると思います。 「貯金はどのくらい必要?」「これは買ってもよい?」など、大きな買いものをするときに、判断に迷ってしまうと思いますが、将来を見える化しておくことで、貯金額や購入の基準などイメージしやすくなることも、とてもよいなと思っています。
――どのくらい貯金をしたほうがよいかなど、どのようにアドバイスをされているんですか?
まずは、お話を伺う感じですね。最終的に決めるのは、お客様です。 例えば、「65歳までは共働き。退職時、海外旅行。孫ができたときは、月10万円あげたい」というご相談がありました。この場合、住宅ローンや電気代など必要なお金を踏まえて、現実と将来の夢との絶妙なところを、一緒に探っていきます。だんだんと、しっくりくるところが見つかったりします。
目指したい未来について聞いてみる
中四国で一番お客様のお役に立てる会社
――会社として、どんな未来を目指していますか?
中四国で一番お客様のお役に立てる会社を目指しています。そのために、お客様も社員も増やしていきたいです。
――中四国で一番を目指して、どんな目標値がありますか?
社員数100名です。1箇所100名ではなくて、各県で拠点をつくりたいです。また、どれだけそのお客様のお役に立てたかっていうことの指標として、資産運用で預けてもらえるお金の総額が100億円を目指しています。
――木阪さんご自身の目標はありますか?
社員がのびのびと仕事ができること、会社が大きくなることが一番の目標ですね。
(編集:横山 麻衣子)
IFAという独立系ファイナンシャルアドバイザー事業を行っています。
特定の銀行や保険会社に所属をしていないので、特定の商品に限定することなく、いろいろな会社の商品のなかから、お客様にとって最適な商品をご提案することができます。