普段生活する中でも目にする運送トラック。ただモノを運ぶだけかと思ったら大間違い。先人の知恵を借りながら事業を生み出し、社会に貢献する姿がそこにはありました。
今回は、岡山県の運送業・株式会社平松運輸で働く代表取締役社長の平松敬史さんと専務の平松徳子さんに、大学生の安達さんがお話を伺いました。
目次
企業活動を深掘りしてみる
様々なモノを運送する
――平松運輸さんはどのような事業をされているのですか?
――製品以外にも、生コンクリートも運搬されているそうですが、生コンクリートはどこからどこに運ぶのですか
生コンクリートは時間が経つと硬化してくるので、運搬にかけられる時間に制限があるんです。
――あとは、生乳運搬もされているんですね。
モットーはやさしい運転
――運ぶものがたくさんありますが、平松運輸さんに仕事を頼むお客さんはどのように増えているのですか?
――信頼を勝ち取っていったのですね。具体的にどういう点が評価されているのですか?
――なるほど。ドライバーの方の育成や訓練が行き届いているからこそということでしょうか。
――モットーとされている「やさしい運転」について教えてください
運送だけじゃない!平松運輸のお仕事
――物流代行サービスという事業もされているんですね。
――就労コンサルタントの事業もされていると聞きました。
――他にはどのようなお仕事をされていますか?
今までは、どんどん飼料を輸入して日本は富栄養化するという一方通行でしたが、有機物の循環がグローバルな国際社会を通して生まれる。人間も有機物のなれの果てですから。笑
先人の知恵を掘り起こす
そういう先人の知恵はたくさんあるんです。例えば、炭焼き。1人の炭焼き師が15ヶ所も山を持っていて、1年ごとに山1ヶ所で剪定してるんです。15年経った16年目に元の山に帰ってきたら、切った木の切り口から3本ぐらい枝が出て、それまでの3倍の原料が供給できる山になっている。だからずっと15ヶ所。今で言うところのカーボンニュートラルがもう行われていたんですよ。
――HPにも自然や木のビジュアルがあったので、私の中で少し繋がりました。
――油化プラントというものも見つけたのですが、これは何でしょうか?
有機物を飛ばして炭素だけ残るんです。石油由来の合成樹脂を熱分解(炭化)すると、合成するときに使われた含量しかほぼ残らないんです。つまり、有機物を熱分解するとガスと油になり、出てきたガスを冷やせば原油ができるんです。この技術は都市鉱山で使われていたりします。太陽光パネルを熱分解すると銀が、携帯電話の基盤は銅と金とパラジウムが残ります。そこに空気入れて酸化させたら、炭素が飛ぶので、純度の高い鉱物ができます。
――先人の知恵を大切に、いろんな仕事に波及しているのですね。
平松さんの「働く」を深掘りしてみる
失敗することもあるけれど
――平松さんは2代目なんですね。
私は大学を卒業して、平松運輸に入社しました。
――なぜ入社しようと思われたんですか?
――ここまででどんなチャレンジがありましたか?
世界に目を向けたら、例えば、コーカサス地方の人々は伝統的に「ケフィア」と呼ばれる、乳を発酵させた長寿食を食べてきました。そこにはアンチエイジング効果が注目されているポリアミンというアミノ酸が含まれてる。そういうことにも、ビジネスにつながる発想や社会に貢献できるヒントがあるんじゃないかなといつも考えています。
――仕事をしていて大変だなと思ったりすることはありますか?
ただ、運送業は交通事故や運転者の健康問題などもあるので、そこは注意してます。交通事故を何とか減らして、やさしい運転で頑張っていけたらと考えています。
――平松さんが働くうえで大切にしていることは何ですか?
――その考えに至ったきっかけや経緯って何かありますか?
――そこからの教訓ということですね。笑
地球的規模で考えたら
――就職するにあたって、持っておいた方がよい資格やスキル、経験しておいた方がいいことって何かありますか?
例えば、人間もうんこのなれの果てということを理解できるかどうかですね。最初の微生物誕生では、酸素が苦手な微生物だったんですよ。そこで酸素を吸収するミトコンドリアを抱き込んだんです。ミトコンドリアが酸素を吸収してくれて、それから植物になり、哺乳類になり、人間へと進化してきた。そういう「地球になぜ生命体ができたか」とか、変なことに興味を持てれば、資格はあとからいくらでも取れます。生命体が何で生まれたとか、面白いじゃないですか。
――最後に、平松運輸さんはどんな未来を目指していますか?
(編集:森分 志学)