地域のうまいものセンターとして様々な「食」を届ける

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  • #地域に貢献したい
  • #食の豊かさを追求

公開日 2022.08.20

私たちの生活と切っても切れない「食」。飽食の日本社会では、特段意識しなくても食べ物がある環境がほとんどです。普段何気なく食べている様々な物も、食に関わる人たちの支えによって日々管理・発展を続けています。

 

今回は、株式会社丸マルイの植松さんと神田さんから、地域のスーパーマーケットとしての様々な取り組みについてお話をおうかがいします。

★植松さん
転職で株式会社マルイに入社。営業本部食育推進室にて産学連携など様々な食育プロジェクトを仕掛ける。
★神田さん
メーカーから株式会社マルイに転職後、環境対策SDGS推進室にて省エネなど環境対策に従事。現在は社長室室長を務めている。
★シガク(森分 志学)
NPO法人だっぴの代表の人。今回は、企業の人から話を聞く役として登場。

 

地域のためのスーパーマーケット

うまいもんなら何でもマルイ

株式会社マルイの食育推進室では、産学連携や地域の生産者の方と様々な取り組みを通して、お客様に対して食べることとはどういうことか、その重要性を伝えている部署です。

 

株式会社マルイは昭和6年に、現在の岡山県津山市の中心にある商店街の中にマルイ食料品店として創業した会社で、昨年で90周年を迎えました。

経営の基本方針では、創業の精神「うまいもんなら何でもマルイ」ということで、うまいものセンターという看板を掲げています。その精神を実現するために、絆というキーワードで5つの絆を大切にして、地域のために会社を発展させていこうと頑張っています。

 

本社は岡山県津山市で、岡山県・鳥取県・島根県出雲市の3県に渡って展開しています。スーパーマーケットマルイというブランドで23店舗、マムハートホールディングスという弊社のホールディングス傘下にSマート、わたなべ生鮮館というブランドで、スーパーマーケットを合計47店舗展開しているスーパーマーケットチェーンです。

 

マルイのSDGs

マルイのSDGsは5つの考え方を中心にしていて、地域貢献もその一つです。

これは何もSDGsが普及し始めたからではなく、地域貢献はスーパーマーケットマルイの事業の根幹です。

 

一つ目の柱は、寄付つき商品。学校では教育に使える資金が不足しているというお話を聞きまして、地域の小学校に良い教材を使っていただいて、未来の子どものためにマルイが何かお役立ちできないかと始めた地域貢献活動です。ベルマークを現代版にアレンジしたのがこの活動ですね。スーパーで買い物をしていただくと、寄付金がたまって、買い物をしていただいた保護者の方が住んでいる地域の学校に寄付がされます。

 

「Ziba Platform」は、高校生や地域の方に寄っていただいて、地域のSDGsの取り組みやサスティナブルラベルを使った食材の紹介、実際にその食材で作ったカレーが食べられたり、と色々な情報発信をしている拠点です。

 

Ziba Platform

 

もう一つの取り組みの柱は、環境ですね。カーボンニュートラルに向けての活動はやはり大事で、11年前にエコアクション21の認証を岡山県で初めて取得しました。

また、効率よく高品質の商品をつくる最新のセンター加工ができるプロセスセンターをオープンしました。ここでは品質面でHACCPという認証もいち早く取って、安心安全な食材をお届けするように心がけています。

 

あと、人材育成にも力入れていて、社内にマルイアカデミーという教育機関で色々な研修を行っています。

 

プロセスセンター

 

数々の食育の取り組み

様々な食の体験を届ける

食育についても教えてください!

 

マルイでは食育基本法が施行された2005年の翌年に、食育推進室を設立しました。地域貢献として、地域の方々とお取引先様との取り組みを重視した部門になっています。

 

ただ単に食べることだけを推奨しているわけではなく、「どういった場面で食べるか」「どういった方と食べるか」を提案しながら、地域の方々やスーパーマーケットに来ていただいた方や学校の方々に、普段得られないような体験を届けることを行っております。

 

具体的にどんな取り組みがありますか?

 

「コロナで外出できない中でもいかに楽しんでいただけるか」を考え、お取引先様との取り組みも始まりました。

 

夏休みにカルピスの実験キットをご自宅にお持ち帰りいただいて、アサヒ飲料様の研究開発をされている方とつないで実証を行ったり。キューピー様のオンライン工場見学では実際の現場と中継し、工場の中を案内していただいたり。酪農体験では、実際の牛舎とつないでみたり。昨年だけで10回以上実施しました。

 

 

マルイの店舗がある小学校から「食べる」「食」をテーマにした絵画コンクールも行っています。今年度は過去最高の4000点の応募がありました。

コロナの影響もあってか、食べ物に感謝であったり、誰かと食べてる絵が増えてきました。

 

食の豊かさの追求する

産学連携も力を入れており、美作大学と津山東高校で行っています。

美作大学とは、第20弾の食育弁当が発売されました。津山東高校は、食物学科の生徒さんたちが高校生レストランを開催しています。コロナ禍では、そのお弁当200食を店頭販売して、取り組みを知っていただくことを行っています。

 

「お弁当惣菜大賞」という総エントリー数が4万点を超える全国大会の2021年度、美作大学との共同開発弁当(第19弾)が入選、津山東高校との催事部門は優秀賞をいただきました。

 

マルイさんが食育推進室を作って取り組む意義は、食の豊かさの追求にあるんですね。

 

そうですね。食育事業でのコミュニケーションを通じて、お買い物に来ていただいた方々が豊かで楽しい食卓をつくれることを目指しています。

 

実は、Ziba Platformの設立目的も食育推進室との繋がりがあります。

食を通じて地域の方に色んなつながりを広げていく場、世代を問わずコミュニケーションが活性化できる場。それらを津山市と一緒に願って作った施設です。親子での食づくりのイベントや大人向けにおいしいコーヒーの入れ方教室など、この場所で様々な食を通じたイベントを行っています。

 

お二人にとって仕事とは?

植松さんはどんなことを大切にしてお仕事されていますか?

 

一緒に行う方々が共通認識を持っていることが大事だと思っています。一方的にこちらがやりたいと言うのではなくて、こちらと相手のやりたいことを一致させた上で実行していくことを念頭に置いて事業を進めています。

 

最後に、お二人にとって仕事とは何でしょうか?

 

私は、メーカーで世界中の方々に我々が作った商品を使っていただくという仕事を長くしてましたので、世界に貢献することを方針に掲げていたんですけど、なかなか実感が湧かないですよね。世界のみんなに貢献してるって言っても。

 

そんなとき、ふと自分の出身の津山市に目を向けると、人口がどんどん減っている。そんな中で頑張っている企業・スーパーマーケットマルイがちょっと目に留まりまして。

 

地域貢献を掲げているところに共感しました。それで、今度は自分が今まで培ってきた色々な経験やノウハウを活かして、自分の生まれ育った地域に貢献する仕事がしたいなの一心で。地域と共に本当に役立つ仕事ができればと、それにやりがいを感じて今頑張っています。

 

私は、転職はしましたが、どんなに仕事が変わろうとも「食」という分野はブレてないんですね。

 

あとはやっぱり、人との繋がりですね。過去に繋がっていた人・今つながっている人・今後繋がっていきたい人とも、きちんとキーワードがあって繋がっていければ、仕事を一つ一つ実現していけると感じています。

 

編集:森分志学

本記事は、岡山の高校生と企業の大人がつながるオンラインイベント「SDGsオンラインチャンネル You Make Okayama」での対談記録をもとに執筆しております。

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