幸せな新郎新婦の大切な一日を演出するウェディングプランナー。一生の記念日を作るサポートができる仕事として、憧れる人も多い職業です。
今回はそんなブライダル業界のお仕事が気になっている高校1年生のモリモトさんが、専門学校のブライダル・ホテルコースで教鞭をとる上村玄之(うえむら げんし)さんに質問しに行きました。ブライダル業界で働くうえで、大切なことって一体なんなのでしょうか?
目次
登場人物紹介
現在は岡山県の専門学校ビーマックスのブライダル・ホテル学科講師/就職担当。岡山県・広島県・熊本県などの結婚式場でウェディングプランナーや支配人として、豊富な現場経験がある。
ブライダル業界について聞いてみる
Q1.ホテルウェディングとハウスウェディングはどう違うの?
それに対して、ホテルウェディングはホテルの大きな宴会場で行います。ホテルは宿泊施設なので、お客様にお部屋やレストラン、バーなどでゆっくりご滞在いただけるのがメリットです。しかし、設備面で限界があるため、一般的にはハウスウェディングほど演出などの自由度が高くありません。 日本のウェディングの歴史としては、もともとホテルウェディングが主流だったんですよ。
すぐ次の時間には別の結婚式の予約が入っているような状態でしたから、当然式場側は時間管理にとてもシビアでした。結婚式ごとに演出を自由に変えるのは手間がかかりますし、時間が延びてしまうリスクもあります。 だから、今ではあまり考えられないけれど、みんな似たような結婚式を挙げていました。
欧米の一軒家風のところもあれば、フロア毎にコンセプトを設けてフロア毎の貸し切りとしている式場もあり、ゲストの人数にも合わせられ、自由度はとても高くなりました。 もちろん現在はホテルウェディングも設備的な制約はありますが、新郎新婦の願いを叶える自由度のある結婚式を考えてくれますよ。
Q2.ウェディングの演出はどんなものがありますか?
だから、時間をかけて新郎新婦との信頼関係を築くことが大切です。そうする中で好みや要望を理解し、それに沿った演出の提案をしていきます。
「大切な人に感謝を伝えたい」という要望なら「メモリプレイ」という演出があります。これは株式会社サプライズモールが提供するサービスで、結婚式の両親へのお手紙や挨拶の場面で、新郎新婦の小さい頃に扮した役者さんがご両親の前で家族だけのエピソードを演じるという演出です。プロの役者さんが演技してくれるので相当ハイレベルで、「あのときのことか……」とご両親はすごく感動させられるんです。 今はYoutubeでもいろんな演出が見られますよ。
結婚式を機に仲違いしていた二人が仲良くなれたり、新しい家族とうまく付き合っていけるようになったり。そういう関係の変化が生まれるのも結婚式なんです。だから、ダンスのような新郎新婦さんの好みに合わせたやりたいことと、今までの感謝の気持ちを伝えるような内容をバランスよく取り入れると、良い結婚式になりやすいんです。だから、感動的な演出が多く見られるのでしょうね。
Q3.本番までの準備期間はどれぐらいですか?
打ち合わせでは雑談のような、新郎新婦さんとの距離を縮める時間が大切なんです。良い演出をご提案して、素敵な結婚式のサポートをするためには新郎新婦さんの本音を教えてもらう必要がありますから。 この新郎新婦さんとの関係は本当に大事なところです。これはお二人の立場で考えればよくわかると思います。結婚式場を見て「ここで式を挙げたい!」と思ったのに、その後スタッフに対して「合わないな」「冷たいな」と感じてしまったら。半年以上もかけて打ち合わせして作り上げていく時間が苦痛になってしまいますよね。
ブライダルスタッフとして大切なこと
新郎新婦の人生の転機に、ご自身の大切な方々をお招きする。その大切な一日を支える責任は、とても重いものです。お二人の一番輝いている時間にスタッフとしてお手伝いをさせてもらう、自分自身がそれをさせてもらえる人物なのか、自分自身を見つめる眼差しを持たなければなりません。 新郎新婦に信頼してもらえるように、身だしなみ、受け答えの言葉など、たくさんの観点から客観的に自分自身を点検し、日々磨いていかなければならないんです。
(編集:北原 泰幸)
岡山県に住む高校生。演劇部に所属していて、演出をするお仕事に興味いっぱい。ブライダル業界のことが気になっているが、結婚式に参加したことがないためイメージを持てずにいる。