「仕事も家庭も、プライベートだって充実した人生にしたい」
それはきっとみんなが願うこと。でも、どれかは妥協していかないと感じる就職活動の現実に、就活生は悩んでいます。今回は「家庭の時間も大事にしたい」と願う大学3回生の馬場さんが、現在ちょうど求職活動中だという枝松まな美さんにこの悩みを相談してきました。
シングルマザーとして子どもを育てながらも、仕事も趣味も大切にしている枝松さんの教えてくれた「後悔しない生き方」とは…?
目次
枝松さんのお仕事
次の仕事を探している最中
ーー現在枝松さんは次のお仕事を探している期間だとうかがいました。どんなことをして過ごしているんですか?
中学3年生と高校1年生の娘がいるので、お母さんとしてお弁当をつくったり塾の送迎をしたりという子どものサポートもしていますね。
それと、週に1・2回ベリーダンスも。もう10年以上続けていて、自分が踊るだけではなくて、先生のサポート役もさせてもらっています。
ーー求職活動で落ち込んだりネガティブになったりはしませんか?
「なんでもいいから早く仕事決めなきゃ!」と焦って無理矢理仕事を決めるよりは、自分がやりたい、やりがいのある仕事にちゃんと就きたいという思いがあって。
私はこれまで人とのお付き合いや出会いによって、恵まれた職場や仲間と出会って来ました。今回もそんなタイミングが来るだろうなって、変な自信を持っています。だからあまり焦っていないのかもしれません
ーーすごいですね。私も就職活動中なのですが、見習いたいです。
以前は自社PRの仕事
ーー以前はどんなお仕事をされていたんですか?
営業部の人数も少なかったので、お客様への販売・提案も担当することがありました。
ーー枝松さんが担当した広報の仕事はどんなお仕事でしたか?
それから新聞や雑誌、タウン情報誌の取材対応も広報の仕事でした。タケヤリは業界の老舗ですから、たくさんのご依頼があります。雑誌取材の場合は記事の内容や表現に間違いがないかどうか確認する作業もしましたね。 広報担当は私一人だったので、幅広くいろんな仕事をさせてもらえたと思っています。
ーー次の仕事も「広報がいい」という希望はあるのですか?
枝松さんと考える働き方
「お給料」と「働きやすさ」と「やりがい」
ーー私は大学3年生で就職活動をしています。大学では「女性の働き方」や「家事労働」、「男女平等参画社会」などについてゼミで学んできました。それだけに、家庭と仕事が両立できるような働き方ができる場所を選びたいという思いも強く持っています。
ーー枝松さんはどんな点を大事にして働く場所を選んできたんですか?
子どもが小さい頃は特に。参観日は行きたかったですし、子どもが風邪をひいたときも面倒見たかったのもあって。
ーー大事ですよね。私も家族や子どもができたら、その時間を絶対大事にしたいなと思っていて。だから難しくて。
ーーやっぱり公務員は制度がしっかりしているんですね。
でも、今は子どもが大きくなってきたので「やりがい」を求める気持ちが以前より大きくなってきています。
ーーこれからの近い未来、「こうありたい」という姿や夢はありますか?
もちろん私にとっては子どもが一番大事です。けれど、母になったからといって何かやりたかったことをやめたり、先延ばしにしたくもなくて。だって、私の人生もいつ終わるか分からないし、やりたいことがいつできなくなるかわからないですよね。 だから私は、いつもその時を楽しむようにしています。
ーーカッコイイです!
当たり前じゃないから”できるかぎり欲張る”
ーー幼いころからそういう価値観を持っていたんですか?
性格は明るさだけが取り柄で、適当で。今もそこはあまり変わってないかな。人生でいろんな経験を積んで、最近ようやく少し考えられるようになった気がしています。
ーー今の枝松さんにつながるような人生の転機のようなものはあったんですか?
母は私が19歳のときに病気になって、22歳のときに亡くなりました。それまでは両親がいて、おじいちゃんおばあちゃんもいて、弟もいて、みんな健康でっていうのが当たり前だと思って生きていました。でも、このときに「当たり前だと思ってたことは、当たり前じゃなかったんだ」と気づかされました。 それをきっかけに「毎日できるだけ、楽しく笑って生きたい」「身近にいる人を大切にしたい」と思うようになったんだと思います。子どもがそのあとすぐ生まれて、守るものができて。母親として強くもなりましたね。
ーーお母さんとの別れがあったからこそ、”できるだけ欲張って”生きるという枝松さんの生き方があるんですね。
だから「できるときに、できることを、できるだけやっておこう」と思って今まで生きてきました。ベリーダンスを始めたのも、そういう気持ちからです。
ーー何かをはじめるときや悩んだとき、枝松さんはどうやって決めているんですか?
あのときやればよかったって後悔するのは嫌だから会いたい人には会うし、食べたいものを食べます。なんか全然かっこよくないですね(笑)。 けど、人生は一回しかないから。人生悔いの無いよう、いつ終わってもいいようにって思ってるんです。
ーー欲張って生きて、直感で決めて、後悔するようなことはなかったですか?
市役所を辞めた後に「何か正社員で働ける仕事を」と探していたときも「じゃあ次がみつかるまでうちで働いて」と以前勤めていたアパレルショップの友達が言ってくれて。タケヤリで働くことになったのも人づての紹介で。今もブドウ農家の友達が支えてくれて。周りの人に本当に感謝しています。
ーーなるほど・・・。だから、求職中でも焦らず元気に過ごしてらっしゃるんですね!
ーーありがとうございます。最後にメッセージをもらってもよいでしょうか。
私はもし娘にアドバイスをするとしても「毎日がちょっとでもワクワクしたり、キラキラする、楽しんでやれる道を選んでね」と伝えたいと思っています。 私はこれからも”できるだけ欲張って”1日1日を大切に生きようと思っています。自分が守るべきものを守って、家族や友達の笑顔に囲まれて、そんな日々に感謝して。そんな今がとても幸せだから。 就職活動がんばってくださいね!応援しています!
(編集:北原泰幸)
今回のゲスト。アパレルショップ、市役所、帆布の繊維メーカーで働きながら二人のお子さんを育ててきたお母さん。現在はちょうど求職活動期間!ちなみに、生まれも育ちも倉敷市。